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♥ これは式神  作者: 雪*苺
十一日目 / 木曜日 5月2日
88/104

♥ 瀬圉家 7 / 本家 7 / 本邸 1 / 応接室 1


──*──*──*── 本邸


──*──*──*── 応接室


 私は今、づるさんと一緒に応接室にあるソファーに座っている。


 げんは実体化していない状態で私の座るソファーの後ろに立ってくれている。


 どうしてげんが実体化してないのかと言うと、えいるから。


 げんえいの前で実体化する事を拒むの。


 どうしてなのかは分からないけど…。


 げん()ゆう()を教えてくれない。


 どうしてえいが応接室にるのかと言うと、電話番から掛かってる予定の電話を19時まで待っていたけれど、19時を過ぎても電話番から電話が掛かってなかったから、LINEラインえいに知らせたの。


 えいは私が送信したLINEラインぐに伯父様とお祖父様に見せていたみたい。


 だから、19時過ぎにえいLINEラインをしたら、ぐに返信がた。


 19時を過ぎても電話が掛かってなかった──って事は、忙し過ぎてお祖父様に伝えるのを忘れていたのか、故意に伝えなかったのか、伝えられないような事情が出来てしまったのか──とかゆういろ(いろ)あると思うんだけど……、お祖父様の電話番がどうなったのか、私は知らない。


 知ってると思うえいは聞いても「 さぁ? の電話番の事なんか知るわけないよ 」って笑って誤魔化された。


 次期当主がなんで “ 知らない ” んだか!


 だ20時になってないから、お祖父様も伯父様もていない。


 当主を退しりぞいて引退したお祖父様もげん当主の伯父様も忙しいから20時にならないとないと思う。


衛夛

「 ──えいちゃん、に聞いたけどほんに≪ げん ≫の人間と婚約したの? 」


衛美

えいづるさんの前で失礼でしょ!

  えいの “ お兄さん ” になるかも知れないのよ 」


衛夛

だ “ かも ” の段階だろ?

  決定してないじゃんか。

  オレは認めないからな!

  調べてみたけど、≪ げん ≫の男子は “ 節操なし ” って有名らしいじゃんか!

  盛った犬みたいに下半身が元気過ぎて、誰にでも手を出しまくる──ってさ!

  ソイツの兄貴達なんて、チーム組んでたふつ魔師に手を出してなんにんも孕ませてハーレムを作ってるとかさ!!

  ソイツもヤバいって!! 」


衛美

えい……。

  づるさんを『 ソイツ 』呼ばわりしないで!

  づるさんは女性不信で、さわられると蕁麻疹が出ちゃうぐらい女性が苦手なの!

  お兄さん達とは違うのよ 」


衛夛

なんで庇うんだよ!

  女性不信だろうと蕁麻疹持ちだろうと恋愛対象は女だろっ!

  アウトだよ、ア・ウ・ト!!

  ≪ げん ≫の男子に生まれた時点でアウトなの!!

  男は性欲にまみれたオオカミなんだよ!! 」


衛美

「 …………えいも男でしょ… 」


衛夛

「 オレはえいちゃんに対しても誠実で紳士だろ!

  えいちゃんが行き遅れてもオレが最後まで面倒見るからさ、が勝手に持ってた婚約なんか破棄しちゃえよ!

  男性不信で男性恐怖症なんだから、無理して克服なんかしなくていいし、婚約なんかしなくていいんだ。

  オレがればいいだろ! 」


衛美

えい……。

  えいの気持ちは嬉しいけど…… 」


 私は男性恐怖症でもなければ男性不信でもない。


 えいにちゃんと話したいけど、げんは許してくれないのよね…。


 ほんの事を話したいけど……、仮に話したとしてえいは今までどおり私を姉として慕ってくれるのかしら…。


 えいが心配してくれてる事に対しては素直に嬉しいけど、罪悪感もある…。


 どうしてか分からないけど、えいづるさんを敵視しているみたいだし。


衛美

づるさん……≪ げん ≫の男子って要注意人物視されてるんですか? 」


厳蒔弓弦

「 否定は出来ない。

  兄達もそうだが、父方の兄弟も祖父兄弟も同様だからな…。

  生まれる子供が多い事も知られているし親戚も多い。

  男子は問答無用で弓道を習わされるしな 」


衛美

「 そうなんですね… 」


 ≪ げん ≫って子沢山なのね…。


衛美

えい、私は≪ げん ≫へ嫁ぐわけじゃないよ。

  づるさんが≪ ≫の養子になってくれるんだもの 」


衛夛

えいちゃん、分かってないね。

  ≪ げん ≫の節操なしの血が≪ ≫と混ざるのが問題なんだよ!!

  この人が安全だなんて思ったら大間違いだ!

  安心なんて出来ないんだよ! 」


衛美

えい…… 」


厳蒔弓弦

「 …………えい君がえいと私の婚約に反対する気持ちは痛い程に分かる。

  しかしな、私から婚約破棄は出来ないんだ。

  すまない… 」


衛夛

「 ──おい、婚約者風情が、オレの前でえいちゃんを呼び捨てにすんなよ! 」


衛美

えい

  づるさんは歳上なのよ!

  失礼でしょ! 」


厳蒔弓弦

「 ……すまない、えい君… 」


衛美

づるさんも謝らないでください!

  づるさんの方が目上なんですから 」


厳蒔弓弦

えい……。

  年齢は関係ないんだ。

  ≪ ≫は陰陽師の社会に於ける陰陽師御三家の一家だ。

  ≪ げん ≫は退魔師の社会でも退魔師御三家にも及ばない、その他大勢の中の一家に過ぎない。

  縦社会の厳しい祓い屋業界で身分,地位,立場のれを取っても私の方が低いんだ… 」


衛夛

「 そゆこと!

  陰陽師は謂わば──、勝ち組超絶エリートで、退魔師は負け組の万年ヒラなんだよ。

  本来なら、退魔師の御三家でもない≪ げん ≫のまっが≪ ≫次期当主の姉に婿入りするなんて、有り得ない事なんだ!!

  それなのになんで選りに選って≪ げん ≫のまっなんかを──!!

  信じられないよっ!! 」


 えいは相当ご立腹みたいで、づるさんを目の敵にしてプリプリと怒っている。

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