♥ 大学 4 / 図書館 3
衛美
「 寝たきりになるなんて嫌よぉ!!
私…見えなくていい!
ずっと、一生涯、見えなくてもいいっ!! 」
玄武
「 そうか、賢明な判断だ。
衛美が踏み留まってくれて嬉しい 」
衛美
「 …………ねぇ、弓弦さんはモノノケの類いの他にも別の何かが見えていたりするの? 」
玄武
「 さぁな。
それは直接弓弦に聞くといい。
本人にしか分からない事だからな 」
衛美
「 そう……。
ねぇ…モノノケの類いには、どんな種類があるの?
冥晶さんが言ってたじゃない?
鬼とか悪魔はモノノケの類いに入るとか…。
モノノケの類いと妖かしの類いって違うの?? 」
玄武
「 本来は別物だが、現代はモノノケの類いも妖かしの類いも一緒くたにされているがな。
区別し難いのが理由の1つだろう。
妖かしの類いにも鬼が当てはまる事だ。
妖かしの類いは、元々は “ 日本妖怪 ” の事を言う。
物に命が宿った付喪神的なモノを指している。
付喪神は神ではないが、人間は何でも神格化して、信仰の対象にしたがるから困ったものだ。
人間は勝手に神格化して拝むが、飽きるのも早い。
信仰の対象にされていた付喪神も、飽きられてしまえば信仰の対象から外れ、拝まれなくなる。
人間に忘れ去られ、必要とされなくなった付喪神は何時しか “ 妖怪 ” と呼ばれるようになり、人間から勝手に恐れられるようになった。
勝手に “ 悪しきもの ” とされ、不幸や災厄を起こす人間の敵とされ、倒すべく悪として現代に伝えられて来ている。
全て濡れ衣であるし、身勝手な人間の被害者というわけだ。
そんな妖かしの類いの中に鬼も入るわけだ 」
衛美
「 …………そう…なのね… 」
玄武
「 モノノケの類いとは主に取り憑かれた生物の事を言うな 」
衛美
「 動物の霊や悪魔に取り憑かれた人間もモノノケの類いに入るの? 」
玄武
「 入らないな。
抑、霊的存在は憑かない。
人間に悪さをする力も無ければ、人間を守る力も無い。
霊的存在には力が無いのだから “ 守護霊が守ってくれている ” と言うのは成り立たない。
テレビ番組で偶に見掛けるが、“ 守護霊に守護られている ” と強調して来るような霊能者は、本物を知らない嘘吐きか霊観修行の未熟者だ。
相手にしない方がいい。
場合によっては嘘を吐かれた事で救われる事もあるのも事実だ。
信じたいならば、勝手に信じても構わない。
──モノノケの類いとは、野良式神に憑かれた生物を指している 」
衛美
「 野良式神??
野良式神って…何なの? 」
玄武
「 野良式神とは使役する主が居ない実体を持たない式神の事だ。
本来、式神とは主に使役される事で実体を得られ、存在する事が出来るものだが──、稀に使役する主を失った式神が実体を失っても消滅せずに存在している場合がある。
──本来はモノノケの類いと妖かしの類いは別物だ。
厄介なのは野良式神が妖かしへ変化した場合だな。
実体を持たない野良式神が物体を取り込み、実体を得て妖怪化すると操る術者が居ない分、本能で暴走するから危険だ 」
衛美
「 そ、そう…… 」
玄武
「 魑魅魍魎の類いには必ず操る術者が居るものだ。
魑魅魍魎の類いを退治したいならば、術者を探し出して始末してしまえば、魑魅魍魎は消滅してしまう。
霊的存在,モノノケの類い,妖かしの類い,魑魅魍魎の類い,野良式神,妖怪化した野良式神,妖怪化後に霊的存在を取り込み焔影化した野良式神──大きく分けると7種類はあるな 」
衛美
「 野良式神が1番厄介なの? 」
玄武
「 そうだな。
野良式神を悪用する悪徳陰陽術者が居るからな。
悪用されると厄介この上無い。
野良式神は扱い方が難しく、使役するのは至難の技だ。
並みの陰陽師では使役は出来まいよ。
術者が居に出来るのは精々淀んだ場所を作り、野良式神を誘き出し、野良式神に取り込ませたい餌を用意する事ぐらいだ 」
衛美
「 ……ねぇ、玄武はさっき “ 霊的存在には何の力も無い ” って言ったわよね?
じゃあ、人間に悪さをする生き霊,地縛霊,悪霊,怨霊,死霊,動物霊とかは、どう説明するの? 」
玄武
「 悪徳陰陽術師に悪用されている残留思念だ。
人間は寿命を終えると肉体から魂が抜け出す。
肉体から離れた魂は輪廻転生する為に、輪廻の流れへ還るものだ。
地上に留まったりしない。
地上に残るのは残留思念だ。
残留思念とは、肉眼では見えない電波と肉眼では見えない霊派が合わさり出来た情報の欠片だ。
悪徳陰陽術師は残留思念を利用して、人間に害を及ぼす生き霊,地縛霊,悪霊,怨霊,死霊,動物霊を故意に生み出している。
交通事故で人間が亡くなった場合、事故の起きた場所に御供えをしたり花束を供えたりして、死者を弔うだろう 」
衛美
「 そうね。
ドラマやニュースでも良く見るわね 」
玄武
「 あれは良くない。
事故の起きた場所に御供え物をしたり花束を供えたりすると、其処に残留思念が留まり続ける。
残留思念は何時しか “ 地縛霊 ” と呼ばれるようになる。
本来は遺骨が納骨された家墓へ足を運び、御供えや花束を供えて冥福を祈り弔うものだ。
菩提寺があるだろうから、供養料と御供え物を送り、住職に供養を頼んでもいい。
良かれと思ってするのだろうが、事故現場に御供えをする行為は逆効果だ 」
衛美
「 そう…なのね。
…………悪徳陰陽術師に残留思念を悪用される残留思念を増やさないようにしないといけないのね。
だけど…それは難しそうね…… 」
玄武
「 そうだな。
昔からの悪習を減らし、正すのは難しいだろうな 」
◎ 訂正しました。
九十九神 ─→ 付喪神
霊的存在には力が無いのだから、 “ 守護霊が守ってくれている ” と言うのは成り立たない。─→ 霊的存在には力が無いのだから “ 守護霊が守ってくれている ” と言うのは成り立たない。
テレビ番組で偶に見掛けるが、 “ 守護霊に守護られている ” と強調して ─→ テレビ番組で偶に見掛けるが、“ 守護霊に守護られている ” と強調して




