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♥ これは式神  作者: 雪*苺
九日目 / 火曜日 4月30日
60/104

♥ 大学 4 / 図書館 3


衛美

「 寝たきりになるなんていやよぉ!!

  私…見えなくていい!

  ずっと、一生涯、見えなくてもいいっ!! 」


玄武

「 そうか、賢明な判断だ。

  えいが踏みとどまってくれて嬉しい 」


衛美

「 …………ねぇ、づるさんはモノノケのたぐいの他にも別のなにかが見えていたりするの? 」


玄武

「 さぁな。

  それは直接づるに聞くといい。

  本人にしか分からない事だからな 」


衛美

「 そう……。

  ねぇ…モノノケのたぐいには、どんな種類があるの?

  めいしょうさんが言ってたじゃない?

  おにとか悪魔はモノノケのたぐいに入るとか…。

  モノノケのたぐいとあやかし(妖怪)たぐいって違うの?? 」


玄武

「 本来は別物だが、現代はモノノケのたぐいもあやかし(妖怪)たぐいも一緒くたにされているがな。

  区別しにくいのが理由の1つだろう。

  あやかし(妖怪)たぐいにもおにが当てはまる事だ。

  あやかし(妖怪)たぐいは、もと(もと)は “ 日本妖怪 ” の事を言う。

  物に命が宿ったつくがみ的なモノを指している。

  つくがみかみではないが、人間はなんでも神格化して、信仰の対象にしたがるから困ったものだ。

  人間は勝手に神格化して拝むが、飽きるのも早い。

  信仰の対象にされていたつくがみも、飽きられてしまえば信仰の対象から外れ、拝まれなくなる。

  人間に忘れ去られ、必要とされなくなったつくがみしか “ 妖怪 ” と呼ばれるようになり、人間から勝手に恐れられるようになった。

  勝手に “ しきもの ” とされ、不幸や災厄を起こす人間の敵とされ、倒すべくあくとして現代に伝えられてている。

  全て濡れ衣であるし、身勝手な人間の被害者というわけだ。

  そんなあやかし(妖怪)たぐいの中におにも入るわけだ 」


衛美

「 …………そう…なのね… 」


玄武

「 モノノケのたぐいとはおもに取り憑かれた生物の事を言うな 」


衛美

「 動物の霊や悪魔に取り憑かれた人間もモノノケのたぐいに入るの? 」


玄武

「 入らないな。

  そもそも、霊的存在は憑かない。

  人間に悪さをする力も無ければ、人間を守る力も無い。

  霊的存在にはちからが無いのだから “ 守護霊が守ってくれている ” と言うのは成り立たない。

  テレビ番組でたまに見掛けるが、“ 守護霊にられている ” と強調してるような霊能者は、本物を知らないうそきかれいかん修行の未熟者だ。

  相手にしない方がいい。

  場合によっては嘘をかれた事で救われる事もあるのも事実だ。

  信じたいならば、勝手に信じても構わない。

  ──モノノケのたぐいとは、野良式神に憑かれた生物を指している 」


衛美

「 野良式神??

  野良式神って…なんなの? 」


玄武

「 野良式神とは使役するあるじない実体を持たない式神の事だ。

  本来、式神とはあるじに使役される事で実体を得られ、存在する事が出来るものだが──、稀に使役するあるじを失った式神が実体を失っても消滅せずに存在している場合がある。

  ──本来はモノノケのたぐいとあやかし(妖怪)たぐいは別物だ。

  厄介なのは野良式神があやかし(妖怪)へんした場合だな。

  実体を持たない野良式神が物体を取り込み、実体を得て妖怪化すると操る()()ない分、本能で暴走するから危険だ 」


衛美

「 そ、そう…… 」


玄武

「 魑魅魍魎のたぐいには必ず操る()()るものだ。

  魑魅魍魎のたぐいを退治したいならば、()()を探し出して始末してしまえば、魑魅魍魎は消滅してしまう。

  霊的存在,モノノケのたぐい,あやかし(妖怪)たぐい,魑魅魍魎のたぐい,野良式神,妖怪化した野良式神,妖怪化に霊的存在を取り込みえい化した野良式神──大きく分けると7種類はあるな 」


衛美

「 野良式神が1番厄介なの? 」


玄武

「 そうだな。

  野良式神を悪用する悪徳陰陽()()るからな。

  悪用されると厄介この上無い。

  野良式神は扱い方が難しく、使役するのは至難の技だ。

  並みの陰陽師では使役は出来まいよ。

  ()()に出来るのはせい(ぜい)よどんだ場所を作り、野良式神をおびき出し、野良式神に取り込ませたい餌を用意する事ぐらいだ 」


衛美

「 ……ねぇ、げんはさっき “ 霊的存在にはなんの力も無い ” って言ったわよね?

  じゃあ、人間に悪さをするりょうばくれいあくりょうおんりょうりょうどうぶつれいとかは、どう説明するの? 」


玄武

「 悪徳陰陽術師に悪用されている残留思念だ。

  人間は寿命を終えると肉体から魂が抜け出す。

  肉体から離れた魂は輪廻転生する為に、輪廻の流れへ還るものだ。

  地上にとどまったりしない。

  地上に残るのは残留思念だ。

  残留思念とは、肉眼では見えない電波と肉眼では見えない霊派が合わさり出来た情報の欠片だ。

  悪徳陰陽術師は残留思念を利用して、人間に害を及ぼすりょうばくれいあくりょうおんりょうりょうどうぶつれいを故意に生み出している。

  交通事故で人間が亡くなった場合、事故の起きた場所に御供えをしたり花束を供えたりして、死者を弔うだろう 」


衛美

「 そうね。

  ドラマやニュースでもく見るわね 」


玄武

「 あれはくない。

  事故の起きた場所に御供え物をしたり花束を供えたりすると、に残留思念がとどまり続ける。

  残留思念はしか “ ばくれい ” と呼ばれるようになる。

  本来は遺骨が納骨された家墓へ足を運び、御供えや花束を供えて冥福を祈り弔うものだ。

  菩提寺があるだろうから、供養料と御供え物を送り、住職に供養を頼んでもいい。

  かれと思ってするのだろうが、事故現場に御供えをする行為は逆効果だ 」


衛美

「 そう…なのね。

  …………悪徳陰陽術師に残留思念を悪用される残留思念を増やさないようにしないといけないのね。

  だけど…それはむずかしそうね…… 」


玄武

「 そうだな。

  昔からの悪習を減らし、正すのはむずかしいだろうな 」

◎ 訂正しました。

  九十九神 ─→ 付喪神

  霊的存在には力が無いのだから、 “ 守護霊が守ってくれている ” と言うのは成り立たない。─→ 霊的存在にはちからが無いのだから “ 守護霊が守ってくれている ” と言うのは成り立たない。

  テレビ番組でたまに見掛けるが、 “ 守護霊にられている ” と強調して ─→ テレビ番組でたまに見掛けるが、“ 守護霊にられている ” と強調して

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