♥ 大学 3 / 図書館 2
衛美
「 法則……。
でも、法則っていうのがあるなら、モノノケの類いは関係無いんじゃないですか? 」
厳蒔弓弦
「 それがそうとも言えないんだ 」
衛美
「 どういう事ですか? 」
厳蒔弓弦
「 7年前に大事故,大災害の起きた場所で、モノノケの類いの姿が目撃されていた事が判明している 」
衛美
「 えぇっ?!
じゃあ、モノノケの類いの仕業かも知れないんですね!
陰陽師や退魔師の出番ですか? 」
厳蒔弓弦
「 そうなるかも知れないな 」
衛美
「 でもでも、こんな世間一般的な大学の図書館に必要になる資料があるんですか? 」
厳蒔弓弦
「 それは分からない。
この大学の図書館は何故かオカルト関連の書籍が豊富らしくてな。
学長の趣味かも知れない 」
衛美
「 そうなんですか?
何か以外ですね 」
玄武
「 呪術,呪詛関連に関しては退魔師よりも陰陽師の方が詳しい。
式神は陰陽師が使う呪術の1つだからな 」
衛美
「 えっ…??
式神は呪術なの?? 」
玄武
「 そうだ。
式神に姿を与え使役する術式を完成させたのは誰でもない眞小呂だ。
陰陽師達は、ワタシの眞小呂の恩恵を多大に受けているわけだ 」
衛美
「 そうなの… 」
玄武
「 ──何れ、呪い関連の書籍を探すならワタシも手伝おう 」
厳蒔弓弦
「 それは助かる 」
衛美
「 私も手伝います! 」
厳蒔弓弦
「 有り難う、衛美。
──ノートの取り方の説明は切り上げよう。
衛美が出来るようになるまで続けよう 」
衛美
「 はい。
有り難う御座います(////)」
私はノートと筆記用具を鞄にしまった。
玄武は黙々と呪い関連の書籍を探している。
何か楽しそう。
机の上には玄武が棚から出した呪い関連の本が置かれている。
衛美
「 弓弦さん、呪い関連の本が沢山ありますけど、どうしますか? 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
あいうえお順に仕分けをしよう。
仕分けを終えた、タイトルと著作者の名前を用紙に書き留めよう 」
衛美
「 分かりました。
戻した後も必要ない本って事が分かりますもんね 」
私は弓弦さんと一緒に机の上に置かれている本の仕分けを始めた。
ある程度の仕分けを終えた弓弦さんと私は、用紙に本のタイトルと著作者の名前を書き出す作業を始めた。
玄武ったら次々に本を持って来るもんだから、持って来るのを止めてもらって、弓弦さんと一緒に本の中身を確認してもらう事にした。
私は1人でひたすらタイトルと著作者を書き出す作業。
ルーズリーフを持っていて良かったわ。
厳蒔弓弦
「 ──そろそろ切り上げよう。
続きは明日だな 」
衛美
「 ──は〜い。
弓弦さん、何とかタイトルと著作者の名前は書き出せました 」
厳蒔弓弦
「 有り難う、衛美。
助かった 」
玄武
「 本はどうするんだ?
このままには出来ないだろう 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
段ボールに入れて置いておこう。
“ 資料探し中 ” と書いて貼っておけば、触られないだろう 」
衛美
「 分かりました。
私、段ボールに本を入れますね 」
玄武
「 ──して、その段ボールは何処にある? 」
厳蒔弓弦
「 持って来るから待っていてくれ 」
そう言った弓弦さんは1人で部屋を出て何処かへ行ってしまった。
衛美
「 ──ねぇ、玄武。
モノノケの類いの姿って、誰にでも見えるの? 」
玄武
「 いや、誰にでも見えるモノではないな。
並みの霊能力ではモノノケの類いを肉眼で見る事は難しい。
霊能力が強ければモノノケの類いを肉眼でも見る事が出来る。
まぁ、見えるだけで何か出来るわけではないが 」
衛美
「 陰陽師,退魔師,祓魔師は霊能力が強いからモノノケの類いを見れるのね。
でも見えるだけで何も出来ないのよね?
退治が出来るのはどうして? 」
玄武
「 日々の鍛練,修行の賜物だな。
霊能力が強ければ誰でもモノノケの類いを退治出来るわけではない。
陰陽師,退魔師,祓魔師は謂わば、オカルト業界のエリートだ。
弓弦がエリートで良かったな 」
衛美
「 そう…ね。
ねぇ、私にもモノノケの類いの姿を見えたりするのかしら? 」
玄武
「 何だ、衛美は見たいのか?
折角、ワタシが見えないにようしているのに… 」
衛美
「 えぇっ?!
そうなの?? 」
玄武
「 見えない方が良いのだがな…。
それでも衛美が敢えて見たいと言うならば── 」
衛美
「 ……見えるようになったら、見えなくなるようにも出来るの? 」
玄武
「 勿論だ、出来るぞ。
見たくなければ何時でもワタシに言えばいい。
見たいのか?
女子には耐え難い光景だぞ。
慣れなくてもいいが、顔を上げる迄には時間が掛かると思うがな 」
衛美
「 どういう事?
耐え難い光景って……。
モノノケの姿って、顔を上げれない程に酷いものなの? 」
玄武
「 衛美の霊能力は強いからな。
普段はワタシが最小限に押さえているから何も見えないし、何も感じる事もない。
解放すれば “ モノノケの類いが見えるだけでは済まない ” 状態になる。
想像も付かないような “ おぞましい世界 ” を目の当たりにする事になる。
ワタシが守護るし、衛美の身は安全だ。
ただな……衛美の精神が持つかどうかが最大の問題になる 」
衛美
「 私の精神…?? 」
玄武
「 男と女では精神力の強さが違う。
男には耐えられる光景でも、女には耐えられない場合がある。
あまりの恐ろしさに発狂し、我を忘れ、気が狂い、精神異常者となる確率が高いのは、心が弱く、脆くて壊れ易い女の方が圧倒的に多い。
平安京の術者に女の陰陽師が居らず、男の陰陽師ばかりだった理由の1つでもある 」
衛美
「 …………発狂するの??
気が狂って、精神異常者になっちゃうの?
絶対に?? 」
玄武
「 絶対ではないな。
確率が高いだけだ。
平気な女も居た。
大概は心を病んだ事で病が身体を蝕み、死期を迎える日まで床に臥せってしまった女が多かったがな 」




