♥ 大学 2 / 図書館 1
──*──*──*── 図書館
私が受ける今日の講義が終わったから、弓弦さんと大学の敷地内にある図書館に来ている。
図書館は一般人も利用する事が出来るから、玄武も実体化して私の隣に居る。
私は弓弦さんに講義でのノートの取り方を教わっている最中。
弓弦さんは、幼稚園から小学校,中学校,高校,大学とエスカレーター式のマンモス校に通っていたみたい。
大学生になると長期の4年制と短期の2年制を選べたみたいで、弓弦さんは短期の2年制を卒業して退魔師になったみたい。
エスカレーター式のマンモス校自体が特殊な学校みたいで、将来に陰陽師,退魔師,祓魔師とかになる人達が通う専門学校だったみたい。
私も陰陽師や退魔師になる側だったら、弓弦さんが通っていたエスカレーター式のマンモス校に通う事になっていたかも知れない。
マンモス校の敷地内には学生寮があるから、寮通いする事になっていたかも。
実際に弓弦さんは高校から大学を卒業する迄は寮暮らしの寮通いをしていたみたい。
弓弦さんのお兄さん達も、退魔師になるから同じマンモス校の卒業生らしいんだけど、お姉さん達はマンモス校には通わないで世間一般的な幼稚園に入園して、小学校,中学校,高校,大学も至って普通の学校に通って卒業したみたい。
男子は先祖代々から退魔師になる事が義務付けられていて、魔喰いの弓を扱う為に強制的に弓道も習う事になって──、男子には進路に自由がないみたいだけど、嫁いで他所の人になる女子は自由な進路を選びたい放題みたいだから、男子に生まれたら大変そう。
弓弦さんは嫌じゃなかったのかしら??
進路を選べない生き方を歩かされて……。
衛美
「 …………弓弦さんは…強制的に弓道を習わされて、幼稚園から専門のマンモス校に通わされて、退魔師になったんですよね?
始めから決められた人生のレールを歩かされて嫌じゃなかったんですか? 」
厳蒔弓弦
「 別に思わなかったな…。
退魔師は稼げるし、食い扶持にも困らない。
魔喰いの弓を扱う為に弓道を習うのは必須だ。
任務によっては生死に関わる場合もあるが、安定した生活を送れるからな。
嫌とは思わなかった。
陰陽師,退魔師,祓魔師の家系に生まれた男子の大概は、先祖代々の職業に誇りを持っているものだ。
嫌がったりはしない。
稀に嫌がり、違う道を選ぶ者も居るには居るが… 」
衛美
「 居るんですね… 」
厳蒔弓弦
「 大体は出戻って来るな。
出戻るぐらいなら始めからなればいいだけだ 」
衛美
「 そう…ですよね…。
でも、出戻ってなれるものなんですか? 」
厳蒔弓弦
「 簡単ではないが、努力次第で返り咲ける。
挫折をしても下働きや補佐役にはなれるから食い扶持には困らない。
希望を出せば寮暮らしも出来るから、住む場所にも困らないようになっている 」
衛美
「 そうなんですね… 」
玄武
「 図書館とは面白い所だな。
此処での弓弦のアルバイトは何だ? 」
厳蒔弓弦
「 オカルト関連の資料集めだ 」
衛美
「 オカルト…ですか? 」
厳蒔弓弦
「 そうだ。
退魔師だからオカルト関連にも詳しいと思ったのだろうな。
一言にオカルトと言っても分野が広い。
正直、私はあまりオカルトには興味はないんだが…」
玄武
「 モノノケの類いを直に相手をしている退魔師の言葉とは思えない台詞だな 」
厳蒔弓弦
「 オカルト好きがいるのは確かだ。
昔から好きだった者もいるし、途中から興味を持ち好きになった者もいるぐらいだ。
陰陽師ブームの恩恵もあり、オカルトブームも再来しているらしいしな 」
衛美
「 そうなんですね。
どんなオカルトの資料を集めてるんですか? 」
厳蒔弓弦
「 呪い関連だな 」
衛美
「 呪い……ですか?
…………何か穏やかじゃないですね… 」
玄武
「 呪いか。
何か面白い事件でも調べているのか? 」
厳蒔弓弦
「 面白いかどうかは分からないな。
話を聞いていて、モノノケの類いが関係しているのではないか──と思ってな 」
衛美
「 モノノケの類い…ですか? 」
玄武
「 賢明な判断だな。
昔から大概の呪いはモノノケの類い仕業── 悪ふざけ ──のようなモノだからな 」
衛美
「 そうなの?? 」
玄武
「 モノノケの類いは悪戯や悪ふざけが好きだ。
人間には脅威でもモノノケからすれば、 “ 他愛のない園児のままごと ” みたいなものだ 」
衛美
「 そう…なの? 」
玄武
「 それだけ人間が弱くて脆い存在だと言う事だ。
──して弓弦、資料集めをするに辺り、どんな話を聞いた? 」
厳蒔弓弦
「 ──何時から始まったのか定かではないが、過去に1週間以内に1回、大事故や大災害が起きていたらしい 」
玄武
「 ほぅ?
1週間以内に1回にか? 」
厳蒔弓弦
「 それが毎週続いていた。
調べると11週間も続いていた。
それが10年毎に日本国内で繰り返されている 」
衛美
「 10年に1度ですか?
1週間以内に1回の大事故や大災害が起きる??
それが11週間も続く??
10年に1度……、11回の大事故または大災害が起きていた… 」
玄武
「 その大事故,大災害にモノノケがどう関係していると思うんだ? 」
厳蒔弓弦
「 1週間以内に起こる1回の大事故または大災害の被害に遭い死亡した人数は、数百人から数万人と多いそうだ。
ニュースに取り上げられ報道される程にだ 」
衛美
「 数百人から数万人の被害者……。
そんなに沢山の死者が出ていたんですか? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ…。
9年前にも起きていた。
私が13歳の時だ 」
衛美
「 私が9歳の時ですね 」
玄武
「 ふむ……ならば、次に起こるなら1年後か 」
厳蒔弓弦
「 予定では1年後だが、必ず10年後に1回とは限らない 」
衛美
「 えっ??
11週間も続く事件が1回じゃないんですか? 」
厳蒔弓弦
「 週が被る時もあるらしい 」
玄武
「 被る……ほぅ?
11週間の事件が起きている間に、新たに11週間の事件が起こる事もあるわけか? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ。
過去に何度か起きているが、3回続いた事もあったそうだ。
何故、10年毎に起きるのか……。
私に資料集めを頼んだ友人の1人は、 “ 何等かの法則が能いているのではないか ” と考えているらしい 」
衛美
「 法則…ですか?? 」
厳蒔弓弦
「 あぁ…。
どんな法則かは分からないが、調べたいらしいんだ 」




