衛美
「 悪習…ね……。
酷い言いようだけど、実際に事故現場に御供えされている御供え物に迷惑している地域があるのも事実なのよね?
…………私は気を付ける事にするわ。
弔うのって、御供えをしなくても両手を合わせて合掌するだけでも十分なのよね? 」
玄武
「 そうだな。
1番大事なのは真心だ。
〈 久遠実成佛ぶつ 〉へ両手を合わせ、死者へ想いを馳せながら真心を込めて死者への冥福を祈る──。
態わざ々わざ御供え物を持参して事故現場へ行く必要はない 」
衛美
「 それを言うと、良よかれと思ってしてる人達から誹謗中傷されたり、非批難難されそうね? 」
玄武
「 世間とはそう言うものだ。
親しい友人がしているのを見掛けた時に、然り気無く話すぐらいに留とどめるのが無難だな。
抑そもそも、衛えい美みの場合は教える友人が居いないがな 」
衛美
「 そ、そうね…。
先ずは話せるような友達を作らないとよね?
──それにしても弓ゆ弦づるさん、遅いわよね?
どうしたのかしら? 」
玄武
「 弓ゆ弦づるが出てから未まだ10分しか経ってないぞ 」
衛美
「 えっ?
そうなの??
未まだ10分なの?
長く感じるわね…。
──そうだわ。
玄げん武ぶ、序でに教えてほしいんだけど、吸血鬼や魔女,悪魔とかは “ 西洋妖怪 ” って言われてるの?? 」
玄武
「 衛えい美み…… “ ゲ●ゲ●鬼●郎 ” に感化され過ぎだ。
そんなモノは存在しない 」
衛美
「 ──でも、 “ 日本妖怪 ” が居いるんだから “ 西洋妖怪 ” が居いたって、おかしくはない筈でしょう?
日本に付つく喪も神がみが居いるんだから、海外にだって付つく喪も神がみが居いたって、おかしくはない筈でしょう?
どうなのよ、玄げん武ぶ 」
玄武
「 衛えい美み……。
抑そもそもだな、付つく喪も神がみ等などというモノは、遥か昔の人間達が勝手に生み出した想像,妄想の産物でしかない。
日本古来から言い伝えられて来きた伝承の類たぐいだ。
実際には妖あやかし妖怪の類たぐい等などは存在しない。
人間が思い描えがいた空想,妄想の産物を野良式神が取り込んで実体化したモノが妖あやかし妖怪の類たぐいだ。
遥か昔の人間が描えがいた妖怪の絵を見た事があるだろう?
昔の人間は想像力が高かったのだろうな。
話題を提供する為に0ゼロから様々な妖怪を生み出した。
──陰陽師,退魔師,祓ふつ魔師が退治したり祓ったりしているのは、物体や生物を取り込み実体を得た野良式神だ。
事実が術術者師達に知らされていないの残念だが、仕方のない事だな。
事実を知っている者が、現代には居いないのだから── 」
衛美
「 だったら、弓ゆ弦づるさんに話してみたらどうなの?
弓ゆ弦づるさんなら信じてくれるかも知れないわよ? 」
玄武
「 それは追おい々おいな。
野良式神や暴走した式神に意識や肉体を奪われた術術者師達は “ 悪徳陰陽術師 ” となり、野良式神を利用し、霊的存在を悪用し、日本中で様さま々ざまな悪事を働いて私腹を肥こやしている。
悪徳陰陽術師を退治しなければ、モノノケの類たぐいも妖あやかし妖怪の類たぐいも悪用され続ける事になる。
然しかし、現代の陰陽師,退魔師,祓ふつ魔師は、裏で暗躍している悪徳陰陽術師の存在を知らずにいる。
由ゆ々ゆしき事だ 」
衛美
「 …………ねぇ、悪徳陰陽術師って強いの? 」
玄武
「 並みの術術者師では倒せまいよ。
冥めい晶しょう程の陰陽師ならば、倒せるかも知れないが、無傷とはいかないだろうな。
何なにせ悪徳陰陽術師の中には平安時代から生き続けているモノも多数いるからだ。
骨が折れるぞ。
最悪な事に霄しょう囹れいは事実を知っている。
悪徳陰陽術師を悪用されると厄介では済まない。
天災並みとはいかなくとも災害並みの大惨事にはなるだろうな 」
衛美
「 ──それって何なんとかしないといけないんじゃないの? 」
玄武
「 ワタシの知った事ではないな。
ワタシは衛えい美みの〈 守ま護もり手て 〉として衛えい美みを守ま護もるだけだ。
ワタシは衛えい美みを守ま護もる以外、特に何なにもしない 」
衛美
「 …………事実を知ってるのに知らん顔するつもりなのね?
霄しょう囹れいが悪徳陰陽術師やモノノケの類たぐい,妖あやかし妖怪の類たぐい,野良式神を悪用して日本中で悪い事をしても、玄げん武ぶは何なにもしないで知らん顔するのね? 」
玄武
「 そうだな。
ワタシは正義の味方やヒーローではない。
ただの物知りな式神だ。
仮に霄しょう囹れいが、ワタシの衛えい美みを危険な目に遭わせるならば、排除はする。
衛えい美みが無事なら他ほかがどうなろうとワタシは知らない。
式神は主あるじ以外には割りとドライで薄情なモノだ。
期待するのは良よくない 」
衛美
「 …………そうね…。
大変な事になるかも知れないけど、私は術術者師じゃないんだし…。
しゃしゃり出るなんてしない方がいいわよね…。
──でも、お祖父様や伯父様に話すぐらいなら良いいんじゃないの?
信じてはもらえないかも知れないけど、話してみる価値はあると思うの 」
玄武
「 衛えい美みの好きにするといい。
口答では全てを伝えるのは難しい。
衛えい美みが手書きで資料を作るといい。
ワタシも手伝おう 」
衛美
「 玄げん武ぶ!
有あり難がとう(////)
私、頑張って資料を作ってみるわ! 」
玄武
「 精せい々ぜい頑張ればいい 」
玄げん武ぶと話し終えた頃に部屋のドアが開いた。
段ボールを取りに行っていた弓ゆ弦づるさんが戻って来きたみたい。
弓ゆ弦づるさんは1人で戻って来きたわけじゃなくて、誰かと一緒みたい。
誰と一緒に戻って来きたのかと言うと────。
衛美
「 ──境けい戸ど君?!
弓ゆ弦づるさん、どうして境けい戸ど君と一緒なんですか? 」
厳蒔弓弦
「 段ボールを取りに行った先で会ってな。
運ぶのを手伝ってくれる事になった 」
境戸託司
「 瀬せ圉ごさん、昼休み誘ってくれたのに中庭へ行けなくて御免ね。
直接、謝りたかったんだ 」
衛美
「 そう、なの…。
別に気にしてないわ… 」
境戸託司
「 良よかったぁ!
一緒に下校してもいいかな? 」
◎ 訂正しました。
術術者師達は、 “ 悪徳陰陽術師 ” となり、─→ 術術者師達は “ 悪徳陰陽術師 ” となり、