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♥ これは式神  作者: 雪*苺
七日目 / 日曜日 4月28日
44/104

♥ 瀬圉家 15 / 本家 15 / 別邸 3 / ダイニングキッチン 3


衛美

「 女性もるんですね。

  づるさん、モテそうですけどアプローチされたりするんですか? 」


厳蒔弓弦

「 …………されない事もない。

  迷惑だから同僚に断ってもらっている 」


衛美

「 迷惑??

  どうしてですか? 」


厳蒔弓弦

「 私には姉が4人もてな。

  そのお蔭もあり、私は極度の女性不信になった…。

  ≪ げん ≫は弓道一家としても有名で、男子はだい(だい)弓道を習う事になっている。

  私は弓道に逃げ、ひたすら弓道に打ち込んだ。

  学生時代は弓道と学業に励む()だったな 」


衛美

「 そ…そうなんですか…。

  お姉さんが4人も…。

  壮絶そうですね……。

  づるさんの実家って弓道でも有名なんて凄いですね 」


厳蒔弓弦

「 兄達の武器もいの弓だ。

  弓使いは遠距離攻撃がしゅの後方支援だから、直接攻撃を受ける事も少ない。

  後方支援をしていると同じ後方支援をしているふつ魔師と親密になり易いそうだ。

  実際に兄達の伴侶はみなふつ魔師だからな 」


衛美

「 そ…そうなんですか?

  …………退魔師にも職場恋愛ってあるんですね 」


厳蒔弓弦

「 そう…だな。

  兄達は弓の名手でもあったが、手も早いと有名だった…。

  常に死と背中合わせの職場だからな、仕方無いのかも知れないな 」


衛美

づるさんのチームには女性のふつ魔師は入らないんですか? 」


厳蒔弓弦

「 仲間が負傷して抜ける時には一時的に入ったりもするな。

  私はなるべく関わらないようにしているが、向こうから寄ってるから困る… 」


衛美

「 そ、そうなんですか…。

  苦労してるんですね…。

  でもでも、づるさんが弓で戦う様子を見てみたいです!

  弓だから単体攻撃が得意なんですか? 」


厳蒔弓弦

「 ≪ げん ≫は広範囲攻撃を得意としている。

  ほうりきを弓の先に込めて放つと矢の雨を降らせる事が出来るんだ。

  私の場合は──、火属性,水属性,雷属性,氷属性のほうりきを使える。

  水属性は体力回復に使う 」


衛美

ほうりき…。

  4つの属性を使えるなんて凄いんですね 」


厳蒔弓弦

「 そうでもない。

  4属性のほうりきを使えても私は兄達よりも劣っているしな。

  ほうりきも強力ではないからな、主力にもなれない。

  モノノケの体力をじょ(じょ)に削る事ぐらいしか出来ないんだ。

  チーム内で遠距離から広範囲攻撃と全体回復が出来るのは私だけだから重宝されてはいるが…。

  、必要とされなくなるか分からない 」


衛美

づるさん……。

  私…は、お兄さん達と比べなくていと思います!

  お兄さん達がどんな人達なのか、分からないですけど、づるさんは劣ってないと思います! 」


厳蒔弓弦

がとう、えい… 」


玄武

づるこれを肌身離さず身に着けていろ。

  なにかあればづるを守る 」


厳蒔弓弦

「 ──これなんだ?

  プラチナリングか? 」


玄武

「 モノノケの中には有害な毒素を撒き散らす厄介なモノノケもる。

  一種の保険だ。

  その紐はなにがあっても切れないから安心していい 」


厳蒔弓弦

がたく受け取ろう 」


 づるさんはげんから渡されたプラチナリングに付いている紐を頭に潜らせた。


 プラチナリングを服の中に入れたづるさんは少し嬉しそう。


 プラチナリングって言っても指輪とかじゃない。


 プラチナのワッカみたいな?


衛美

げん、私には無いの? 」


玄武

えいにはワタシがる。

  必要無い 」


衛美

「 そうなの?? 」


玄武

「 欲しいのか? 」


衛美

「 …………私だけ仲間外れみたいだし…(////)」


玄武

「 そうか?

  なら、づるとお揃いにしてやろう 」


 そう言うとげんは、づるさんに渡したのと同じワッカのプラチナリングを私にくれた。


衛美

がとう、げん

  づるさんとお揃いで嬉しいです(////)」


厳蒔弓弦

「 私も嬉しい 」


玄武

「 婚約者同士、丁度いかも知れないな。

  見せびらかせば害虫除けにもなるぞ、づる


厳蒔弓弦

「 そうなるといんだが… 」


 づるさんは異性問わずモテるって事は話を聞いてなんと無くなく分かった。


 お揃いのプラチナリングを身に着けてるからって、づるさんが異性の退魔師やふつと恋仲にならない──って保証はない。


 幾ら “ 女性不信 ” だからと言ったって、絶対に恋心を抱かない──って保証はない。


 づるさんと私は御互いに好き合って婚約者になったわけじゃない。


 お祖母様から紹介されたから……、婚約者として付き合うだけで…。


 私が男性不信で男性恐怖症なのは、げんが関連でそういう事にしてるだけの嘘だし……。


 私はづるさんの事が好きなのかしら??


 づるさんは、お揃いのプラチナリングに「 嬉しい 」って言ってくれたけど…、きっと社交辞令よね?


 …………づるさんが他の女性に取られちゃうのはいやかもだわ…。


厳蒔弓弦

「 私は後片付けをしたら、そのまま弁当の仕込みをする。

  えいは先に休んだらどうだ? 」


衛美

づるさん、がとう御座います。

  後片付けなら私も手伝います 」


玄武

えいが後片付けを手伝うのか?

  めとけ。

  、大雪が降ったらどうするつもりだ 」


衛美

「 降るかぁ!!

  皿洗いするだけでなんで雪が降るのよ!

  普通は雨でしょがっ!! 」


玄武

「 いや、は大雪警報──いや、猛吹雪警報が発令され兼ねない!

  重大事件だ 」


衛美

「 大袈裟過ぎよぉ!! 」


厳蒔弓弦

「 猛吹雪警報は困るな。

  えいは先に休んでくれ 」


衛美

づるさんまでぇ!!

  げんに乗っからないでください!! 」


 げんにお説教しないといけないから、寝るのはもう少しあとになりそうね!


 もう、げんったらぁ〜〜〜!!


 皿洗いを手伝ったぐらいで雪が降って堪りますか!!


衛美

「 ──げん、ちょっとに座んなさい!! 」


玄武

「 もう座っている 」


衛美

「 椅子じゃなくて、床の上によ!! 」

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