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♥ これは式神  作者: 雪*苺
七日目 / 日曜日 4月28日
43/104

♥ 瀬圉家 14 / 本家 14 / 別邸 2 / ダイニングキッチン 2


厳蒔弓弦

「 10時頃にモレットモールへ到着するなら── 」


玄武

「 ワタシの転移陣を使えばいい 」


衛美

「 えっ??

  転移陣??

  玄(げん)武(ぶ)、転移陣って何(なに)?? 」


玄武

「 行きたい目的地へ瞬時に移動出来る便利な術式だ 」


衛美

「 へぇ?

  じゃあ、交通機関を使わなくてもいいのね。

  交通費が浮いて助かるわね 」


玄武

「 そうだな。

  モレル(モレットモール)には屋上に駐車場があったな。

  人(ひと)気(け)もないし、其(そ)処(こ)に転移するとしよう 」


衛美

「 有(あ)り難(がと)う、玄(げん)武(ぶ)。

  どうせなら毎日の登下校も転移陣を使ってほしいんだけど? 」


玄武

「 それは止(や)めた方がいい。

  交通機関が使えないのは何(なに)かと不便だからな 」


衛美

「 それもそうね… 」


玄武

「 衛(えい)美(み)、明(あ)日(す)は気合いは入れるなよ。

  お洒落はしなくていい 」


衛美

「 はぁ?

  玄(げん)武(ぶ)、それが年頃の女の子に言う台詞ぅ?

  大体、お洒落しようにもお洒落な服なんて此(こ)(別)処(こ)(邸)には無いんじゃないの?

  先に私の家(いえ)に転移してからモレル(モレットモール)に行きましょ! 」


玄武

「 分かった。

  気合いは入れるなよ 」


衛美

「 もう! 」


厳蒔弓弦

「 ははは。

  衛(えい)美(み)は可愛いからな。

  ナンパされないか心配なのだろう 」


衛美

「 ナンパなんてされませんよ。

  弓(ゆ)弦(づる)さんと玄(げん)武(ぶ)が居(い)るんだもの 」


玄武

「 ストーカー防止にはダサい格好をするに限る 」


衛美

「 美麗人2人と歩くダサい女子なんて、いい笑い者になるわ… 」


厳蒔弓弦

「 何(なん)なら私もダサい格好をしてもいい 」


衛美

「 弓(ゆ)弦(づる)さん(////)」


玄武

「 ダサい格好はしなくていい。

  普段着だからな 」


衛美

「 は〜い。

  ──御馳走様でした。

  弓(ゆ)弦(づる)さん、有(あ)り難(がと)う御座いました。

  明日(あした)のお弁当も楽しみです(////)」


厳蒔弓弦

「 口に合って良(よ)かった 」


 料理が盛り付けられていたお皿は何(ど)れも綺麗に空っぽ。


 私も結構食(しょく)が進んだけど、玄(げん)武(ぶ)が殆んど食べちゃった。


 玄(げん)武(ぶ)ってば、念願の美(お)味(い)しい手料理を食べれて満足みたい。


 今は弓(ゆ)弦(づる)さんが淹れてくれたお茶を飲んでいる。


 …………弓(ゆ)弦(づる)さんと玄(げん)武(ぶ)が夫婦みたいに見えるのは私の気の所為よね?


 普段の弓(ゆ)弦(づる)さんは無愛想だけど、笑うと素敵。


 絶対にモテると思う。


 同性に求婚されるぐらいなんだから、よっぽどなのかも知れない。


 料理上手な弓(ゆ)弦(づる)さんに求婚する同僚の退魔師は、きっと脳内で弓(ゆ)弦(づる)さんをベッドの上にでも押し倒して攻めてるんだろうね。


 嫌(いや)な同僚……。


 彼女は居(い)ないのかしらね??


 弓(ゆ)弦(づる)さんって男性から見ると、攻めるよりも攻められる側なのかしらね?


 それとも以外に攻める側なのかしら??


 退魔師だから、モノノケ相手には容赦なくグイグイ攻める側だから、実は攻められたい願望を心の奥底で秘めてるのかも知れない??


 男性にとっては攻められる側の弓(ゆ)弦(づる)さんでも、女性相手には攻める側になるのよね……。


 弓(ゆ)弦(づる)さんに攻められるのは間違いなく未来の私。


 ………………夫婦になった後が恐(こ)怖(わ)いわぁ…。


 でもでも、未(まだ)々(まだ)先の話よね?


 私が大学生でいる内は結婚なんてしないと思うし!


 弓(ゆ)弦(づる)さんの事、何(なに)も知らないから少しずつでも知りたいかも。


厳蒔弓弦

「 ──衛(えい)美(み)、デザートは食べれるか?

  食べれなければ明(あ)日(す)の朝食に出すが 」


衛美

「 デザート?

  デザートがあるんですか? 」


玄武

「 弓(ゆ)弦(づる)、デザートがあるならワタシは食べるぞ 」


衛美

「 玄(げん)武(ぶ)……。

  本(ほん)当(と)に食い意地が張ってるんだから…。

  弓(ゆ)弦(づる)さん、デザートって何(なん)ですか? 」


厳蒔弓弦

「 杏仁豆腐だ。

  果物(フルーツ)を入れている 」


玄武

「 杏仁豆腐!

  ワタシの好物だ。

  衛(えい)美(み)、食べれなければワタシが食べてやろう。

  もう食べれないだろう? 」


衛美

「 食べれるわよ!

  明日(あした)の朝、食べるの!

  私の分まで食べたら許さないんだからね!! 」


厳蒔弓弦

「 ははは(////)

  衛(えい)美(み)の分は別にしておくから安心してくれいい。

  玄(げん)武(ぶ)は私の分も食べればいい 」


玄武

「 話の分かる奴だな、弓(ゆ)弦(づる)! 」


衛美

「 もう──。

  杏仁豆腐で、はしゃいじゃって!

  子供みたい 」


 弓(ゆ)弦(づる)さんは冷蔵庫を開けると冷やしているタッパを取り出した。


 タッパの中には弓(ゆ)弦(づる)さん特製の杏仁豆腐が入っているみたい。


 玄(げん)武(ぶ)の為に杏仁豆腐を器(うつわ)に移して盛り付けている弓(ゆ)弦(づる)さんは奥さんみたい。


厳蒔弓弦

「 衛(えい)美(み)の分は冷蔵庫に入れておく。

  玄(げん)武(ぶ)、食べるなよ 」


玄武

「 考えておこう 」


衛美

「 食べんな! 」


 弓(ゆ)弦(づる)さんがテーブルに置いた大きめの器(うつわ)の中には杏仁豆腐がたっぷりと入っている。


 プルップルな杏仁豆腐は美(お)味(い)しそう。


 私は弓(ゆ)弦(づる)さんが淹れてくれたお茶を飲みながら、気になる事を弓(ゆ)弦(づる)さんに質問してみる事にした。


衛美

「 弓(ゆ)弦(づる)さん、さっき『 退魔師は不規則な生活をしてる 』って言ってましたけど、退魔師って忙しいんですか? 」


厳蒔弓弦

「 派遣先では忙しいな。

  不規則な生活になるぐらい目が回る 」


衛美

「 派遣されるのは1人ですか? 」


弓弦

「 人数は内容によって異なる。

  私の場合は4人で1チームで派遣される事が殆んどだ 」


衛美

「 退魔師ってチームなんですね。

  陰陽師は1人なのにどうして退魔師はチームなんですか? 」


厳蒔弓弦

「 陰陽師が1人で行動が出来るのは式神を使役する事が出来るからだな。

  退魔師は式神を使役する事は出来ない。

  代わりに魔具師の作った対もののけ用の武器を使い、モノノケを退治するのが退魔師だ。

  物心つく前から高校を卒業するまで弓道部だった事もあってな、私は魔(ま)喰(ぐ)いの弓を使っている。

  祓(ふつ)魔師も居(い)るな 」


衛美

「 祓(ふつ)魔師って何(なん)ですか? 」


厳蒔弓弦

「 エクソシストみたいなものだ。

  退魔師は退治が専門だが、祓(ふつ)魔師は祓うのが専門だ。

  チームは退魔師3と祓(ふつ)魔師1の割合で組まれている 」


衛美

「 そうなんですか。

  女性の退魔師や祓(ふつ)魔師は居(い)るんですか? 」


厳蒔弓弦

「 数は少ないがいるぞ。

  私は組んだ事がないから何(なん)とも言えないが… 」

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