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大嫌いな義弟のL♡VEドールに毎晩憑依してしまいます!?  作者: 大福ちゃん


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11/20

11話.夢だと言って..!

「よし……」

意を決して、勢いよく扉を開け放つ。

昨日と同じ場所に布がかかった大きな塊...。

それを震える手で布を剥ぎ取った。

「…………っ!!!!」

声が出なかった。暗いクローゼットの中。そこには、私と同じ部屋着を着た、私そっくりの『ラブドール』が、虚無を見つめて鎮座していた。

挿絵(By みてみん)

(ああ..うそ、でしょ……マジじゃん……!!)

全身の血の気が一気に引いていく。

昨日のことは見間違いでも夢でもなかった。

夏波は本当に、私の顔をしたドールを隠し持っていたのだ。

パニックになり後ずさると、後頭部にズキッと痛みが走った。

そっと手で触れてみると、小さなたんこぶができている。

(あ……思い出した。昨日、これを見て焦って部屋に戻って、足元のラグで派手に転んで壁に頭をぶつけたんだわ……)

そこまで思い出して、ふと昨夜の『もう一つの記憶』が蘇る。

『ブスなんて嘘だよ……。凪ちゃんは世界一可愛いんだから』『ねぇ、凪ちゃん、僕の凪ちゃん。ずっと一緒でしょ?約束、したもんね』

ポロポロと大粒の涙をこぼしながら、私の頬を愛おしそうに撫でていた夏波の姿。

「……いやいや、あれは絶対に夢! 100パーセント夢!!」

私は赤くなった顔を両手でバシバシと叩いた。

いくらなんでも、あの生意気な夏波が、あんな優しく甘い声で泣きながら私にすがるわけがない 。

きっと、このドールを見つけてしまったショックと、頭を強く打って気絶したせいで、脳がバグってあんなイカれた夢を見せたに違いないのだ。

そうよ、私がドールの中に入るなんてオカルト現象、あるわけないじゃない。

(あれが夢だとして、なんであいつは私のドールなんて……?)

夢の中の激甘な夏波は私の脳が作り出した完全な幻だとしても、目の前にある『私そっくりのドール』は紛れもない現実だ。

嫌がらせ? 呪いの一種? サンドバッグ代わり?

それとも――。

「ど、どうしよう……今日からどんな顔してあいつに会えばいいのよ……!」

誰もいない夏波の部屋で、私は頭を抱えてしゃがみ込むしかなかった。

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