6年の自由研究
『コンビニスイーツについて
6年1組 佐藤 海斗
クリームたっぷり、ボリュームで選ぶならマルクト。安定のクオリティならレインボー。
でも、サンキュースクエアのプリンやピコのソフトクリームは別格。特化した商品だけはレインボーもたちうちできない。
リーガルドーターのマクロビスイーツも女性に人気があるけど、店舗が少ないのが難。
熊本名物をプライベートブランドに加えたレインボーの策略も501を別のコンビニが入れれれば、夏のアイス戦争はピコのソフトクリームとの三つ巴になる。
アルクのショートブレッドが姿を消したコンビニスイーツ戦争は、有名なブランドのプライベートブランド化と季節限定商品に移行してきている。
ベルギーチョコやイチゴ、マンゴーなどはその代表と言える。
今年は瀬戸内海レモンや塩レモンが流行しているようだ。』
「佐藤くんに何があった?! 乙女ゲーやらなくなったのはいいけど、コンビニスイーツって、どうしてこうなった!! 小6らしい題材ならともかく、何でコンビニスイーツ?!」
株式市場や株の売買について書いてきた子もいたが、予想だにしていなかった方向に宗旨替えしたとしか思えない佐藤くんの自由研究に叫ぶ担任。
佐藤くんが小学校に上がる前からの筋金入りのコンビニスイーツ愛好家だとは担任はついぞ気付かなかったのである。
ある日、担任は学校に来なくなり、複数の犯罪行為でテレビに連日取り上げられ、転勤すら許されずに免職になった。
「やっと、ロリコンが消えた」と呟くクラスメイトの如月くんと相づちを打つ近藤くんを他所に、週末に食べるコンビニスイーツのことで頭がいっぱいな佐藤くん。
その後、佐藤くんは以前と変わらぬ標準体型で卒業して行く。
何故なら、彼は筋トレの鬼でもあった。
付き合わされた人物曰く、「無理。死ぬ。腹筋100回にスクワット200回なんてできない」とのこと。
こうして、色々な意味で担任は佐藤くんの自由研究に振り回されることもなくなった。
常識人に見えて常識のなかった担任と非常識に見えて非常識な生徒。
え? 常識的な生徒じゃないかって?
いいえ、佐藤くんは非常識です。
それと、小学生にギャルゲーを勧める小学校教諭が常識的なわけありません。
YESロリコン! NOタッチ!