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ラグナロク  作者: ピロ
第6章 地下帝国とレンの旅立ち
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母の想い

やっと更新出来たー(ˉ▽ˉ;)...

ようやく引っ越しのゴタゴタが終わりました(´ー`)y─┛~~





「お母ちゃんっ!!」

庭に洗濯物を干していると、雪女の子供である雪菜が抱き着いてきた。


「雪菜、驚いたじゃないか」


この娘は儂の娘ではない。


半年ほど前に訪れた人間の青年が、儂に預けて行った娘だ。

本来人間の願い事など聞き入れることなどない。

だがこの者は大恩ある夜美殿の思い人であった。

だから預かってくれと言われた時に、断る事は出来なかったのだ。


最初はどうしたものかと思っていた。

しかし何でも慣れて行くものなのだな。

「お母ちゃん好き~」

「まったく雪菜は甘えん坊じゃな」

頭を撫でると屈託の無い笑顔で儂の事を見上げてくる。

「えへへへ」

可愛い娘だ。

化け物でしかない儂が、母の気持ちを持つことが出来るとは思ってもいなかった。

「儂も雪菜の事を愛しているぞ」



気付けば無くてはならない存在へと変わっていた。



何年かして、龍は再びこの地を訪れた。

初めて見た時はタダの優男でしか無かったが、再び会った時の印象は全く違うものになっていた。

体から闘気が溢れ出るほどに鍛えられていたからだ。


「まさか人間のお主が生きてここまで辿りつけるとは思いもしなかったぞ・・・」

「それなりに鍛えてきたからな」


この世界にいる鬼はそれなりに鍛えたぐらいで勝てるような相手ではないだろうに。

いったいどれだけの努力をしたのだろう。



「龍?・・・」

「ああ。雪菜、久しぶりだな」



年頃を迎えた雪菜は龍に恋をした。

龍も美しくなった雪菜が気になるようだ。


人との恋など報われぬから駄目だぞ。

そう雪菜に言い聞かせていたのだが、気付けば雪菜のお腹には龍の子が宿っていた。


「龍とお前は生きている場所が違うのだぞ。何故儂の言う事を聞かなかったのだ」

「だって龍の事が好きなんだもん」



泣きながら訴える雪菜に儂は叱咤してしまった。



何故祝福をしてあげなかったのだろう。

あの時の事を今でも後悔している。

結局二人は儂の支配する場所から出て行った。


二人が幸せならばと言い聞かせていたが、ここは鬼の跋扈する世界。

この幽世という場所は力が全て。

自らを鬼と化すことが出来なければ、生き残る事など出来ぬ苛烈(かれつ)な世界なのだ。

お腹に子を宿した雪菜を龍一人で守り切れないことくらい考えれば分かったはず。



「すまない・・・雪菜を守り切れなかった」



あの時、雪菜を責めたのは儂の醜い嫉妬だ。

儂は自分の元から雪菜がいなくなってしまうことが怖かった。

何で止める事が出来なかったのだろう。

龍の胸倉を掴んで何かを言おうとしたが、こうなる事も分かっていた。

儂に龍を責める権利などあるはずも無い。



「もう二度と儂の前に現れるな・・・」

二度と会う事など無いと思っていた。



この世界の事は気付いていた。

「人造の神だと?」

人が創造した神によってこの世界は造られた。


何らかの陰謀を感じた儂は、以前からこの世界を監視していた。

その中心に現れたのが龍というわけだ。




「オイラ、あんちゃんの子供が欲しいんだ」



ユキと名付けられた獣人の少女が、雪菜の生まれ変わりだということはすぐに分かった。

獣人という種族ではあるが、見た目が幼い時の雪菜にそっくりだからだ。

魂の系譜を覗いて見れば間違い無く雪菜の魂だ。

雪菜は輪廻の輪にも捕らわれてはいないが、違う世界に生まれて龍と同じ魂を持つ者と出会うとはな・・・

想いというのは宇宙の法則をも捻じ曲げてしまう。

恐ろしいまでの強制力。

まさかと思うが、コレを雪菜が引き寄せたとでもいうのか?


儂は雪菜の元に行きたかった。

そして二人に謝りたかったのだ。

だがこの世界には何をしても干渉することが出来なかった。

儂はコレでも神だぞ。

人造の神に儂が干渉出来ぬ世界を創ることが出来るとは思えない。

まさか儂以上の神格を持っているとでもいうのか?

空間が繋がればすぐそこに雪菜がいるというのに・・・



もどかしい時間だけが過ぎて行く。



そして事は起きた。



レンが首を切った男の下にいた女は短剣を手に持っていた。

明らかにレンに敵意の眼差しを向けている。

「愚か者がっ!!ここは戦いの場だぞ!!何故気付かない!!目を反らすなっ!!」

どれだけ言霊を込めても龍に儂の声が届くことはなかった。


「死ねぇぇぇえええええええ!!!!!」

そして龍を庇った雪菜の体に短剣が突き立てられていた。



「雪菜・・・」



神になる前は戦いに明け暮れていた。

だからこそ見た瞬間に分かってしまうのだ。

雪菜が致命傷を負っていることを・・・



怒りによって龍が目覚めたのを見た。

そして神刀、夜刀神を手にし、女を時空ごと真っ二つに切り裂く。

空間が開いた?



今しか無い。



二つに裂けた女をこちらに引き寄せた。

この女を食べる事で、儂の体がそちらの世界で存在することが出来る。

やった。

これでそっちに顕現出来るようになったぞ。

儂は空間が閉じる前に体をねじ込ませ、雪菜のいる空間に行くことが出来た。



不思議な世界よ・・・

陰謀を感じる穢れた世界。

龍の魂を持つ者の魂が少し歪な感じがするが間違いない。

龍だ。



「久しいな」



この反応、儂の姿を見て知っているという感じでは無いな。



「すまない・・・記憶が無いんだ」



輪廻の輪を潜っているから普通は前世の記憶を持つことはない。

だが龍は生まれ変わる度に夜美殿の事を思い出してきたそうだ。

儂の事が分からないということは、未だに思い出せていないということか?


だが潜在的に儂を敵では無いと分かっているようだな。

儂の命を吹き込むのに邪魔されては困るから、敵で無いと分かっていればそれでいい。


雪菜、今助けてやるからな。


儂は雪菜の母として過ごしていた時の姿に戻った。

懐かしいな・・・

この醜い姿で雪菜の前にいた事はない。

雪菜には儂が化け物と思われたくなかったからだ。


今から神としての核を雪菜に渡す。

渡してしまえば儂は神では無くなるし、人化も出来ない鬼に戻ってしまう。

だがあの時の後悔はもうしない。



そして体の中にある神の核を口から雪菜に与える。



ドクン、ドクン、ドクン、ドクン



「間に合ったのう」

雪菜の心臓が鼓動を打ち始める。

魂が体から離れる前で良かった。



雪菜に謝りたいが、もうそれも叶わなくなってしまったな。

それだけが心残りだが、やむを得ない。

神格を失った事で急激に理性が無くなっていくのが分かる。

後は儂の理性が残っている内に倒して貰わなければな・・・


龍は優しい男だ。

敵では無い儂に対して魔力の手を攻撃はすれど、儂には一切攻撃をして来ない。

何度煽っても、無駄だ・・・

早くしろ。

早く儂を殺せ。

出なければ本来の鬼の力でお主を攻撃してしまうぞ。

雪菜にも攻撃してしまうだろう。



「さて、そろそろ死ぬか?」



マズい。そろそろ抑えが効かなくなってきた。

静の意識とは別に、鬼だった頃の残虐な本能がこみ上げてくる。

あの頃はただ目の前の敵を殺すだけだった。

殺して、喰って、敵の持つ力を吸収する。

強さを求め、自分を強くして、絶対者になるのが目的だ。

あの頃の儂は獰猛だった。

無尽蔵に敵を食べつくす、悪鬼でしかなかった。

このままでは雪菜も再び殺してしまうだろう・・・



「早く、しろ。早く、儂を殺せ・・・」


千年前から話が始まるので話が複雑すぎるかも・・・

って思っているので、内面的なものを書いて少しづつ明かしていくのと、サイドストーリーで過去にあった話を別のストーリーとして書いていく予定です。

初期の話は話が書き終わってから、一気にアップする予定でいます。


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