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ラグナロク  作者: ピロ
第6章 地下帝国とレンの旅立ち
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レンの覚醒 前編

花粉が凄いですね・・・

私は花粉症では無いのですが、それでも鼻が詰まって辛いーっ

「取り押さえろっ!!」

ローグの言葉にランスが女を拘束し、床に押さえつけた。

「・・・はっ!?・・・」

ユキの口から血が溢れてくる。

刺されたナイフが胃に到達している証拠だ。

「お、おい・・・ユキ・・・しっかりしろ」

どんどんユキの顔が青ざめていく。

「駄目だ・・・死んじゃ駄目だ・・・」

自分のせいでユキが刺されてしまった。

何で俺は油断してしまったんだ・・・

レンの目からは止めどと無く涙が溢れ出していた。

「落ち着けレン。ロロナ、回復魔法を」

「分かった」

「ミーシャ、傷口を抑えてくれっ!!俺はナイフを抜くからな」

「分かったわ」

ローグが刺されたナイフの周りを抑える。

「ロロナっ!!」

そしてローグは一気にナイフを抜く。


「この者に癒しの加護を与え給えっ!!ヒールっ!!」


するとユキは光に包まれて、傷口がどんどん塞がっていく。

「どうだ?」

「分からない。でも傷口は完全に塞がらないの・・・」


俺はユキを抱きしめたまま硬直していた。

ユキが死んでしまうのではないかという状況に、思考が完全に停止していたからだ。

「レン。しっかりしろっ!!お前がリーダーだろうがっ!!」

呆然としている俺の頬をローグが殴りつける。



そうだ、俺はリーダーだった。



「レン。落ち着いて・・・」

するとユキの指に嵌めているヒールリングが光り出す。

「凄い。ヒールリングまで持ってるの?」

指輪が効力を失うと光は消えてしまったが、ユキの傷口は完全に塞がった。

「やったわ。レン、治ったわよ」

「本当か!?」

「ええ。これだけ早く元に戻れば大丈夫よ」

ロロナの言葉に安堵を覚える。

「・・・あ、あぁ、良かった。コレでユキは助かる・・・」

俺はユキを抱きしめて、髪を撫でた。


「ユキ!?」

しばらく時間が過ぎたが、ユキの意識は戻ってこない。寧ろどんどん顔色が悪くなって行く。

「・・・・どういうことだ?・・・何でユキは良くならないんだ?・・・」


「アハハハハハハ。そいつは助からないよ」

ランスに抑えつけられていた女が、笑いながら俺に言い放つ。

「クソッ。毒が塗ってある・・・」

抜いたダガーを見てローグが呟いた。

俺はロロナの方を見るが、目を反らしてしまう。

「嘘だろ!?」


「ロロナは解毒の魔法が使えないんだよ・・・」

ミーシャが俺の肩に手を置いて首を振る。


「・・・あ・・・ん・・・ちゃ・・・」

「ユ、ユキ?」

ユキは少し微笑むと何かを伝えようと口を動かす。

俺は何を言ってるか聞き取ろうと、耳を近づける。

ユキは力をふり絞り、震える手で俺の頬に触れた。

「・・・・だ・・・い・・・す・・・・・・・」

しかし言葉を終える前に口から血が溢れ出す。

「・・・ユ・・キ・・・・?」

ユキの力が抜け落ちて、頬に触れていた手がダラリとぶら下がった。

恐らく大好きと伝えたかったのだろう。



「・・・ユ・・キ・・・・」



何でだ・・・

何でユキがこんな奴等に殺されなくちゃいけないんだ。

散々こき使いやがったくせに金は一切払わない。

床に置いた食事を食べさせてニヤニヤしたクズ共が・・・・

「何でユキがこんな目に合わなくちゃいけない・・・」

俺の中に怒りが沸々と湧いてくる。



「ふざけやがって・・・」



俺の前に空間の切れ目が現れる。

次元収納のような感じだが、次元収納の感じとは少し違う。

だが俺はコレを知っている。

体が自然と手を伸ばす。すると何も無い空間から一振りの刀が現れた。

刀ではあるが刀身は七尺を超え、鞘に入った状態から黒い(もや)が溢れ出している。

もはや刀と呼べる代物では無かった。


「絶対に許さねぇ・・・・」


俺は鞘を持ち、勢いよく上にあげ鞘を下に引っ張る。

すると反動で刀が浮き上がり鞘から抜けた。

地面に突き刺さった刀を手にすると、俺はユキを殺した女を見る。

「ランス、どいてくれ」

「駄目だ。離れたらコイツが逃げるぞ」

「いいからどいてくれ」

ランスは俺の顔を見て、どんな状況だろうとこの女を逃がさないという決意を感じていた。

「分かった」

ランスは抑えていた女から離れると当然のように女は逃げ出した。


「レン、逃げた・・・」

ランスが言葉を言い終える前に俺は刀を振り下ろす。

距離にして絶対に届くはずは無かった。

「あがっ・・・・」

女の口から変な声が発せられる。

すると刀を振り下ろした軌道に黒い空間が現れ、空間を起点に女の体がパカっと真っ二つに割れて血が飛び散った。


「えっ!?」

黒い空間はそのまま残っていて、ここにいた全ての人がその異様さに言葉を失う。

そしてそれは起こった。


「嘘っ・・・」

「おい、おい、おい。何だよあれ」

黒い空間から黒い手が伸びてきて、真っ二つになった女を引きずって空間に引きずり込む。

そして骨がバキバキと砕ける音が聞こえてくる。

「ま、まさか食べてるの?」


「ゴシュジンサマ、ヨクナイ、キが、アフレテル。セイレイ、ミンナコワガッテ、ニゲタ」

ミレーヌが青ざめた顔をして俺の隣にやってきた。

黒い空間は膨れて広がろうとすると、巨大な目に変わる。

「な、何なのコレは?」

「分かりません。でも相当ヤバいものがいるってことだけは分かりますよ」

ソーサラーのジークフリードが青ざめた顔で呟く。

「私も分かるよ。こんなヤバいの初めてみるよ」


悠久の探索者は事の異常さに顔が青ざめていた。

「ランス!!撤退の指示をっ」

「ああっ!!皆、各自撤退しろっ!!」

ランスとローグは檻の鍵を壊すと、閉じ込められた女性達を先に逃げるように促す。

全員逃げたのを確認すると、悠久の探索者達も撤退を始めた。

「レンっ!!早く逃げろっ!!そいつは俺達で何とかなる相手じゃないぞ!!」

俺は逃げずにそこにいた。

「大丈夫。皆は逃げてくれ」

ミレーヌも俺の指示が無いから逃げようとはしない。

「ミレーヌ、外で待っててくれ」

「デモ・・・」

「コレは命令だよ。安心して。俺は大丈夫だから」

俺はこの正体を知っている。

覚えてはいないが、俺の奥底に眠る記憶が知っていると告げていた。

ミレーヌは残りたい気持ちはあったが、ギアスで命令に逆らうことが出来なく、嫌々ながら外へと向かう。




「久しいな」




地の底から溢れてくるような声が洞窟内に響き渡った。

圧倒的な威圧感。

鳥肌が立ち、その声だけでも意識が飛んでしまいそうになっていた。


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