第十一話 火は消えず
毎日19時更新、ついに11話目です!!!!
第11話までお読みいただきありがとうございます。
歌によって崩された戦場のあと、
待っていたのは言葉による「静かなる戦」でした。
戦の後。
伊達は静かに座していた。
正面には安東。
「なぜこのような勝てぬ戦をしたのだ」
低い声。
伊達の眉がわずかに動く。
「貴様、何を言っている」
そのとき、脇に控えていた男が口を挟んだ。
「もう……よいではありませんか」
柔らかな声。
だが場を包む空気が変わる。
伊達はゆっくりと視線を向ける。
「なぜ……貴様がここにいるのだ」
男はわずかに笑う。
「奇妙なことを。あなたが金山を奪った。事の始まりはそこでしょう」
「最上殿か。」
伊達の拳が鳴る。
「おい安東!! こいつと今すぐに縁を切れ!」
怒りは抑えきれない。
だが声は震えていない。
「命乞いとは伊達らしくないですな」
最上は肩をすくめる。
「先代も浮かばれますまい」
伊達の目が鋭くなる。
「貴様に先代を語る資格はない」
一歩も引かない。
安東はそのやり取りを黙って見ている。
やがて最上がため息をつく。
「どうやら私は嫌われているようだ。ここにいては話も進みますまい。一旦失礼します」
最上は静かに退いた。
残されたのは、重い沈黙。
伊達は立ち上がる。
「……次は負けぬ」
それだけを残す。
折れてはいない。
怒りは、内に燃えている。
場が変わる。
安東と玲夢。
「伊達の処遇はいかがなさいますか」
玲夢が問う。
「放て」
短い。
「火種になります」
「それでよい。」
一拍。
「ここで消せば、別の場所で燃え上がる」
玲夢はわずかに頷く。
そのとき襖が勢いよく開く。
「ねえ! せっかく勝ったんだから宴会しよ!」
新当主だ。
空気が一気に軽くなる。
玲夢が視線を向ける。
「戦は終わっていない」
「でも今日は勝ったんでしょ?」
屈託のない笑み。
安東はわずかに息を吐く。
「……好きにせよ」
「やった!」
新当主は走り去る。
玲夢が小さく呟く。
「切り替えが早いが…
ここに至ってはこれが正解かもしれない」
「なぜだ!?」
安東は玲夢を睨みつける
「あまりにも急激に戦闘が起こり過ぎた。
この辺で一回気持ちを落ち着けないと
今後の運営に影響が出る」
安東は答えない。
だが否定もしない。
灯はともる。
だが――
火は、消えてはいない。
読んでくださりありがとうございます!
構成を練るのが大好きな「構造作家」タイプの自分としては、
こういう「戦のあとの処理」を書くのが一番楽しかったりします。
(ぶっちゃけ戦闘パートは全部AIに丸投げです(笑))
負けてもなお折れない伊達の矜持と、それを嘲笑う最上の不気味さ。
そして、それらを「放て」と断じる玲夢の冷静さ。
「燻り続ける火」が次なる大火を呼ぶのか……。
(次回で最上の嘲笑いがなんなのかわかります)
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