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魔界の洞窟の中で。
「オネラス、降ろして!」
抱えられているキーレンは足をバタバタさせる。
キーレン、そしてオネラスが着いた場所は洞窟の中、それも起動していない転移陣の近くだった。
「よりによって…」
オネラスは溜め息をつく。
この場所は、雑魚の巡回場所の一つだった。
そして、もうすぐやってくる時間だ。
そして、それを実証する様に足音がする。
「キーレン、隠れて」
オネラスが言うと、二人は隠れた。
「フガッ(異常な)…」
辺りを見回したグールとキーレンの目が合う。
「……」
一瞬の間を置くと、グールは吼えた。
それは洞窟の外まで響く。
吼えたグール自体は一歩引き、オネラスまで居た事に驚いたが二人が逃げぬ様に構えた。
勿論、直ぐに数体のグールがやってくる。
さっきの吼えで、完全にアウトだろう。
更にキーレンとオネラスは出入り口の左右、即座の転移も難しい。
予測通り、五体が追加された。
更に閉鎖空間の上、魔法防止措置まで丁寧にされていた。
「仕方ない、好きじゃないんだけどな…」
頭を掻くと、右手に鉤爪を付けた。




