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焦りと解放。

「ヘルグラム、奴らを止めろ!」

少年、ルシネルは言う。

ヘルグラムとは、ヘンリーの前世だ。

その場に居た四人は焦っていた。

ルシネルは家族の家が近くにあり、被害が出て欲しくない。

ルシネルがシールドを張った事により自分達にも被害が出るが、それを止め様が無いオネラスとナリス。

そして、何故か魔力が効きづらいヘンリーだ。

魔力が効きづらいのはバウルの仕業、ユーフェミアが消えてシールド圏外に消えたのがその証拠だ。

恐らく二人が魔法を消滅できないのもその影響だろう。

「仕方ない…」

ヘンリーは溜め息をつく。

ヘンリー自身の魔力でどうにも出来ないなら、ヘルグラムの魔力を足すまでだ。

「消えろ」

炎の球に向かって手を翳す。

炎の球は言葉の通り、あっさりと消滅した。

「流石だよ」

ルシネルは安堵と共に、強気に言う。

ナリスとオネラスは、魔力の放出のし過ぎで落ちていく。

「やれやれ」

ヘンリーは、軽く二人に魔法をかける。

すると透明な球体に二人まとめて囲まれ、消えた。

「君は、ルシアの魔力しか持ってないのかい」

「そうだ」

「本物の少年は眠っているんだね」

ヘンリーの言葉に、ルシネルは頷いた。

二人はバウルを見る。

無言で協定を結んだ。


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