ケルベロス、召喚。
「契約により命ずる。現れよ、ケルベロス」
旧魔王城、彼女はそこに移動していた。
ユーフェミアの記憶では、他者の転移魔法続きで正確な位置が把握出来なかったのだ。
それに、やらなければならない事もある。
「ごめんなさい…」
クリスフィアは一人呟く。
その直後だった、一匹の狼が現れる。
「やっと呼んだか…ってあれ?」
ケルベロスは今の状況が理解出来なかった。
「ユーフェミア…で合ってる?」
身体はユーフェミア、だが何かが違う。
「半分合ってるわ」
半分、その言葉に彼女をよく見る。
「自己紹介が先ね。私はクリスフィア、彼女は意識の奥深くに眠ってるわ」
「えっ、え!?」
何がなんだかわからない。
だが、彼女が呼び出したのは変わらない。
「どうして呼んだ?」
ケルベロスは冷静なフリをする。
するとクリスフィアはクスクスと笑い出した。
「あなた知り合いに似てる、名前も。ケルベロス・ジン、知らない?」
「それ、じーちゃんの名前だ」
「お祖父様?」
「俺はケルベロス・シン。祖先から魔王の番犬だ」
「あぁ、だからなのね。確か、元魔王のヘンリーさん?の友人ですものね」
彼女はユーフェミアの知る範囲だけは知っていた。
「話がずれたわね。あなたには、私と共に意識の奥に潜って欲しいの。案内役として」
「案内役?」
「そう、ちゃんと帰り道がわかる人が必要でしょう?」
「…わかった。主がピンチなんだ、行くよ」
ケルベロスはクリスフィアに宣言した。




