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嵐の前の静けさ。
「現れませんね」
ユーフェミアは場内を歩きながら言う。
城は何故か人が少ない。
居たとしてもメイドなので、遠巻きにしか見てこない。
「当たり前でしょ?勇者を入れる際、長老達が反対する中、魔王権限で人数を減らしたもの」
「しかも、魔力の強い奴をね」
ナリスの言葉に、更にオネラスが付け足す。
「ルディを守っていたのは本当なんだな」
ユーフェミアは感心していた。
「ナリス、ルシアはここに住んでいる訳では無いんだよね?」
「はい、私自身今回初めて目撃しました」
「オネラスは?」
「さあ?ルシアとかいう名前も初めて聞いたし」
ヘンリーは二人の言葉を聞き、考える。
「今は居なそうだね。じゃあ、ルシア派の長老達は?」
「わかりません、時々居なくなるんです。動向を注意してはいるんですが…」
「オネラスは?」
「あの塔で伝言を聞く事は多いけど、興味無かったから知らない」
「結構知らない事が多いですね」
「そうだね」
そしてヘンリーは考える。
「ルシアが居た場所を調べようか」
他に手がかりも無いので、三人は頷いた。




