表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/247

過去の記憶。

「ヘルグラム様!」

「大丈夫ですか、ヘルグラム様!」

二人の家臣が魔王であるヘルグラムを心配する。

シェバルトとデリオルオだ。

デリオルオは敵を倒し、後からヘルグラムに駆け寄る。

直接的に、間接的に、色々な敵が魔王を狙う。

今一番大きな魔王を狙う勢力はルシア派だ。

ルシア派は小さな派閥をも自らに収め、勢力を大きくしている。

代表のルシアは魔族としての役割を望む。

そう、ヘルグラムの平和主義とは反対なのだ。

そして、ルシアの送り込む敵によって日々狙われている。

「ヘルグラム様、治安は我々にお任せ下さい」

「わかってるよ、アムネシア」

アムネシア、彼女は四人の信頼の置ける家臣の一人、女性だが治安部隊長だ。

信頼の置ける四家臣のもう一人、フィルズの恋人でもある。

「フィルズも言ってやって」

「そうですね。魔王様は心配しすぎです。我々を頼って下さい」

「やれやれ、フィルズはアムネシアの味方か」

「恋人ですから」

フィルズは笑顔で告げる。

端から見てもアムネシアとフィルズはラブラブだ。

鐘が鳴る。

夜を告げる鐘。

昼夜変わらず薄暗い為、決められた時間に定期的に鳴らすのだ。

「フィルズ、もう出ましょう。魔王様、お休みなさいませ」

「あぁ、お休み」

アムネシアとヘルグラムは立ち上がる。

だが、フィルズの様子がおかしい。

「魔、王、様…」

フィルズは膝をつき汗をかく。

だがその後スッと立ち上がると結晶の刃を無数に出す。

「魔王様!」

フィルズが結晶の刃を投げると同時に、アムネシアはヘルグラムに防御壁を張った。

「フィルズ、何をしてるの!」

「殺すんだ…」

アムネシアがフィルズを後ろから取り押さえると、フィルズはそう呟く。

それは、いつものフィルズではなかった。

フィルズは邪魔だとばかりにアムネシアを振り飛ばす。

「フィルズ…魔王様、洗脳されてます!」

アムネシアは叫ぶ。

ヘルグラムは立ち上がると洗脳を解こうとした。

だが、フィルズにかけた洗脳は解けない。

ヘルグラムと同等か格上の魔力を持った者がかけたのだ。

「フィルズ!」

アムネシアはフィルズの頬を叩く。

「あ…」

愛の力か、その途端洗脳が解けた。

フィルズは自分がした事に唖然とする。

「魔王様、すみません!」

フィルズは言うと、部屋を駆け出した。

次の日、フィルズは自ら死を選ぶ。

アムネシアは愕然とし、魔王やシェバルト達もいたたまれない。

アムネシアは酷く動揺し、泣き叫ぶ。

数日経った頃、アムネシアは家臣を退職する。

ヘルグラムにそれを止める権利は無い。

「私が居なくなればフィルズが死に、アムネシアが慟哭する事も無かったのだろうか…」

ヘルグラムは呟く。

「魔王にならなければ良かった…人間になれば良かった…」

「魔王様?」

ヘルグラムは立ち上がるとフラフラと謁見室から出て行く。

「魔王様!」

シェバルトはデリオルオと共に開けた部屋に駆けつける。

「すまない…」

それは転生魔法陣。

<できれば人間になりたいな…>

ヘルグラムは心の中で呟くと魂となって消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ