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洗脳内の指示。
数人の靴音が響く。
魔王の家臣である老人達が、早歩きで歩いているのだ。
「デリオルオはどこに行ったのだ!」
「オネラスめ、行方を眩ましおって!」
「あと使える駒は何がある!」
魔王抜きの会議、魔王の席に座るのは一人の子供。
「落ち着きなよ。大丈夫、ここに居れば安全だって」
子供は楽観的に言う。
それは、自信があるのかもしれない。
「デリオルオは無理、だけどオネラスなら可能」
子供はニヤリとする。
「オネラス……戦え」
洗脳を利用した指示をかけていた。
「ん、君どうしたの?」
町を歩いていると、魔族の子供がオネラスをじっと見ていた。
「オネラス……」
身も知らぬ子供はオネラスの名を呟く。
オネラスはゾッとし、距離を取る。
「何故、名前を知っているんだい」
オネラスは子供に問う。
「オネラス、命令は絶対だよ。忘れないで…」
子供はそう言うと消えた。
それは、老人達に付いてすぐの事だった。
戦え、頭の中に響く。
自らの意志は折り曲げられ、戦わなければいけないと思う。
戦場を遠くから見学していたオネラスはその思いに突き動かされた。




