キーレンとオネラスは魔界での事を話します。
「ルディは無事です。魔王とナリスが他の魔族から守ってますから」
「会ったの!?」
キーレンの発言にアンリエッタが驚く。
それはユーフェミアも同じだが、ふと疑問に思う。
「魔王が、守ってるのか?」
ユーフェミアの問いに、キーレンは頷く。
「本当だよ。おかげでこっちは手を出せない」
オネラスは捕まって開き直った。
「嘘でしょう?魔王が、守る?」
アンリエッタはその事実に疑心暗鬼になる。
「キーレン、嘘言わないでよ!操られてるの?」
アンリエッタはキーレンにしがみつく。
だが、魔力の高いヘンリーとオネラスはそれが無い事はわかっていた。
「他には?ルディは何か言っていたかい?」
「魔王と一緒に居たいそうです。魔王と一緒でないと城も出ないと思います」
「洗脳は?」
「ありません」
という事は二人には心からの信頼関係がある、という事だ。
「困ったね…」
ヘンリーは呟く。
「誰かあんたらの都合のいい魔族を魔王にすれば?」
オネラスは他人事の様に言う。
彼にとって、面白ければ誰が魔王でも構わないのだ。
「それって誰よ!魔王が存在しなければいいだけじゃない!」
「それは無理だね。魔王が死んだり退位しても、次の魔王が即位するだけさ」
「それじゃ堂々巡りじゃない…」
「確かに、あんたらにとってはそうだろうな。だから、あんたらの都合のいい奴にすればいいんだよ。例えばあんた、元魔王様」オネラスはヘンリーを見る。
「元々魔力高いうえに覚醒したんだ。可能だろ?」
「私は人間だよ」
ヘンリーは押し通す。
「じゃあ、キーレン?は魔力低いか」
オネラスはキーレンを見ると匙を投げる。
「ちょっと、ルディを取り戻す話は?」
アンリエッタとユーフェミアは三人についていけない。
アンリエッタは混乱し、ユーフェミアはため息をついた。
「オネラスとやら。魔王はともかくとして、魔王の家臣を統制しているリーダーが誰かわかるか?そいつを倒すという手もある」
「成る程、魔王はそのままに家臣を変えるのか。だけど悪いね、知らないんだよ。何せ爺さん達に命令されてるだけだからね」
元々派閥争いに興味の無いオネラスは知ろうとも思わないし危険のある事はしない主義だった。
「もういい?これ以上一緒に居たら本当に裏切り者扱いされかねないんだけど」
「そうだね」
ヘンリーは空間隔離を解くとオネラスを見る。
「あ…」
「さっき話した事は忘れなさい」
「はい…」
そう言うと腕輪を外す。
「帰しちゃ駄目!」
だが、もう遅かった。
オネラスはすぐに転移したのだ。
「固定魔法陣、もうつかえません!」
その事実に、アンリエッタは驚いたのだった。




