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脱走の手筈。
キーレンが魔王城に来て一週間が経とうとしていた。
そんなある日、ナリスから買い物の誘いがあった。
ここ一週間、部屋に居る時以外は誰かしらの視線があった。
そのうちの一人はオネラスだ。
彼は時には遠くから、時には近くからキーレンを見張る。
それは同時に魔王を信頼していないという事だ。
だが、結構それも雑でたまに絡んで来る。
「逃げようと思わないでよ。そしたら面倒くさいからねぇ」
「誰の指示?」
「そんなの、爺さん達に決まってるじゃん」
当たり前の様に言い、笑う。
「あんた、誰の見方?」
「オネラスだよ。そんなの、自分の味方。面白い事の味方に決まってる」
彼は言い張る。
そして、今はキーレンをからかうのを楽しんでいるのだろう。
だから、余計な行動を取らなければ報告はしない。
つまり今は、報告される事は無いという事だろう。
だが、それは無理な話だ。
機を見て魔界から脱出するのだから。
そして、その時は来たのだから。




