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ルディの部屋。
「キーレン様、部屋はこちらの隣を用意しました」
しばらくしてナリスが戻って来た。
それによって、扱いが客だとも理解する。
「表向きは私と同じ、ルディ様付きとして下さい。隙を見てあなたを人間界へお返しします」
それは願ってもない申し出だった。
脱走するつもりだったが、安全に出られるならそれに越した事は無いのだ。
それから、本当にしばらくはルディと共に行動する。
といってもルディは部屋から出られないので二人で、時々ナリスやイヴリーズも加わって会話する程度だ。
ルディはよく話を聞きたがる。
村に寄った時の事、父母の様子、ヘンリーやアンリエッタ達の様子もだ。
やはり故郷である人間界の友人の事は気になるらしい。
だから、その話をした。
「イヴリーズ、質問がある。何故、シェバルトを人間界に行かせた。権限で引退させる事も可能だろう?」
ある日キーレンは問う。
だが、魔王は知らなかった。
「俺はヘルグラムを追って自ら向かったと聞いている」
それは、シェバルトの言っている事と違った。
「それは、誰が言ったんですか?」
「勿論、家臣だ」
イヴリーズは当たり前の様に言う。
そして、考え込んでしまった。
次の日、ナリスは買い物に付き合う様キーレンに言ってきた。




