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ヘンリーとヘルグラム。
「私は、魔法にかけられたのか…」
それは暗闇の中、霧の影響で魔力が弱くなっていたとはいえ油断していた。
上下左右の無い空間の中でうずくまる。
「私は、こんなにも弱いのだな…」
ヘンリーは呟く。
「そうだ、私は弱い。だから好戦的一派に殺されかけた。平和な人間に憧れた。家臣達を置いて何も言わず転生した」
現れたのはヘルグラムである自分。
「そうだね…」
ヘルグラムの言葉にヘンリーは頷く。
「私達は眠っている。それを打開するには私の、いや君の意志が大事だ。この場を君の意志で開く事が…」
ヘンリーはヘルグラムを見つめる。
「私は魔王だ」
「私は魔導士だ」
覚醒する。
二人は一つとなり、ヘンリーの魔力は戻る。
いや、倍の魔力を手に入れる。
魔王の時に持っていた程の魔力を。
人間と魔族の両方の魔力を。
かけた者の魔力を越え、それを吹き飛ばす。
そして、ヘンリーは眠りから目覚める。
「ヘンリー!」
「ヘンリー殿!」
アンリエッタとユーフェミアは目覚めたヘンリーにホッとする。
「クウ~ン」
ケルベロスもヘンリーの目覚めに側に寄った。
「みんな、心配かけたね」
ヘンリーはそう言うと皆を見る。
「キーレンは?外出かい?」
ヘンリーの問いにユーフェミアは俯き、アンリエッタは泣きそうな顔になる。
ヘンリーが眠ってから目覚めるまで、5日が経っていた。




