原理と想像力。
「次は、造り出す」
水を留まらせる事を訓練した後は、創造だった。
「ユーフェミア騎士は剣士だし、やっぱりこれかな?」
ヘンリーは自らが持つ短刀を手に持つと、火を纏わせる。
短刀はその刃より少し高めに炎が纏った。
「自分の剣に炎が纏うと考えて」
ユーフェミアは言われた通りやる。
「炎よ、剣に纏え」
だが、炎が現れさえしなかった。
それは幾度かやっても一緒だった。
「想像出来てる?」
ヘンリーが問うと鈍い返事が返ってきた。
「すみません、発火装置も無いのにどうすれば宿るかが創造つかなくて…」
すると、ヘンリーはため息をつく。
こういう場合は、何かきっかけが無いと無理なのだ。
「じゃあ、こっち来て」そう言うと、木々に近づく。
「鎌鼬」
そう言って短刀を横に振ると風の刃が出来、木に当たると傷が出来た。
「今はこれが精一杯か…」
木の傷を見て、ヘンリーは溜め息をつく。
「とにかく、こんな感じ。木を一つだけ斬るように心がけて」
「はい」
ユーフェミアは目を閉じ息を整える。
「一本だけ…風刃!」
目を見開き言うと、風の刃は三本切り株を作った。
「制御は訓練で覚えればいいよ」
ユーフェミアの魔力で三本に抑えたのでギリギリ合格という事にして、ヘンリーは次に進む。
「次はこの切り株を見て」
ヘンリーは言うと、切り株に手を翳す。
「…成長」
言葉を何にすればいいか迷い、そう発する。
すると、芽が出た。
「この切り株を元の木の状態に戻して」
ヘンリーに言われ、ユーフェミアも切り株に手を翳す。
「木よ、成長しろ」
すると、ヘンリーの出した芽が成長する。
だがそれは本来の高さより高く、幅も元の木より大きくなった。
「まぁ、慣れればなんとか…」
ヘンリーは呟くと、終わる事にした。
彼女の今回の訓練にて、理論づけられないものは使えない事がわかったからだ。
「制御は慣れだし、得意不得意があるのもわかる。それでも半日でここまでいけば充分だよ。それから、ただ物を大きくしたり小さくしたりするのは君には難しいと思う」
ヘンリーはそう言うと、踵を返す。
「もう夕方だよ。暗くなる前に次の村に行こう」
二人はアンリエッタ達と合流し、次の村を目指した。




