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キーレンの秘密。

「やはり、あのキーレンかい?」

シェバルトの問いに、キーレンは斜めを向き視線を逸らす。

「彼は人間だ。魔族な訳無い」

思い込み、ユーフェミアはそう告げる。

だが、キーレンは自分が魔族だとも人間だとも言っていなかった。

「それは無い、確信してる。そうだろう?キーレン」

キーレンは小さく頷いた。

「まさか!本当に!?」

ユーフェミアは立ち上がる。

そして、知ってしまった者がもう一人。

「アンリエッタ姫、無事でしたか!」

キーレンの後ろに、アニエに支えられたアンリエッタがいた。

「今の、本当?」

アンリエッタの声が震えていた。

「あなたは、敵なの?」

「それは違う!皆と会ったのは偶然だけど、あいつらとは違う!」

キーレンは叫んだ。

すると、シェバルトは悲しい顔をする。

「僕だって、指示がなければこんな事したくないよ。ヘルグラム様が転生して行ってしまわなければ、平和なままの筈だったんだけどね」

主だったヘルグラムを思い出し、シェバルトは懐かしむ。

「ヘルグラムって、誰?」

アンリエッタは謎に思う。

「二代前の魔王です。こちらの世界に侵略を目論んだのは先代からなので知らないのは当然ですね。それに、ある意味ヘルグラム様の事は禁句になってますから」

シェバルトが言うとキーレンは頷いた。

「主義が違いすぎたんだ。今の魔王は前魔王よりは寛容だけど、それでも自分の主はヘルグラム様だけだって思ってる」

「君はいいね。当時は小さかったし場所も離れていたから。でも重臣だった我々は、そういう訳にもいかない」

シェバルトは憂う。

「それに君は知らないだろうけど、今の魔王の重臣は殆ど前の重臣のままだよ」

その言葉に、キーレンは驚いていた。

「今の魔王はただの道具だ。我々に妨害工作をさせたのだって重臣の思惑だよ。我々は魂で感じる事もできるからね」

シェバルトは話す。

魔族であるキーレンが居るからだろうか?

「さて、世間話はここまでにしてヘンリーとやらに会わせてもらおうか」

シェバルトはそう言うと立ち上がった。

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