霧に飲み込まれました。
「皆大丈夫だろうか?」
ヘンリーは霧の外で心配する。
魔力でいえば、キーレンはケルベロスより少ない。
つまりははぐれてしまった場合、アンリエッタの方が危険だという事だ。
「確実に離れない様に鎖を付けるべきだったかな?」
そうは思っても今となっては後の祭りだ。
「何故こんな村でこんな事を、誰がしたんだか……」
ヘンリーは呟く。
「皆に行かせる前に偵察、出来れば解決も出来れば良かったんだけどな……」
自分自身が入れないもどかしさ、ヘンリーは後悔していた。
その時、霧が濃くなる。
そして、あっという間にヘンリーを呑み込んだ。
「まずい!」
ヘンリーは咄嗟に口を押さえる。
しかし、それは無意味な行為であった。
ヘンリーは跪き、霧の外へ出ようとする。
だが、方向すらわからなくなっていた。
「油断、したな……」
ヘンリーは一人呟き、座り込む。
「フン、無様ね!」
アンリエッタが突然現れる。
「魔法使いがこれとは呆れる」
今度はユーフェミア。
「ヘンリー様、見損ないました」
キーレンも言う。
三人はその後見捨てる様に離れる。
「ヘンリー、役に立たないんだね」
「あんた、一番情けないよ」
「もう、僕を笑い物に出来ないね」
ルディ、ジョージ、ロバートも一言づつ言うと去る。
「ホント、こんな時は役に立たないんだな」
ヘンリーは呟くと倒れる。
「クゥーン」
鳴き声がする。
ヘンリーは魔力を持続出来ず、本来のサイズに戻ったケルベロスは主であるヘンリーの下に駆け寄ったのだった。
「ケルベロス、お前は見捨てないでくれるのか……?」
ヘンリーはそれだけ呟くと、眠った。




