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そこは霧の漂う村でした。
「キーレン、どう?」
ヘンリーはキーレンに問う。
霧は村全体を覆い、中が見えない。
「中に入らないと何とも言えませんが、危ないのは人間だけではないでしょうか?」
それはつまり、魔族には効果が無いという事だった。
「相手が雑魚なら僕一人でどうにかなるかもしれませんが……」
キーレンは呟くと少し後ろのアンリエッタを見る。
彼女は行くつもり満々なのだ。
それに、アンリエッタが行くとなればユーフェミアも必ず向かうだろう。
「対策が必要だね」
ヘンリーはキーレンに言った。
木こりは山小屋に住んでいる。
対策を練る為と称し、彼等は木こりと共に山小屋で一泊する事にする。
「キーレン、ヘンリー、作戦はあるの?」
アンリエッタは問う。
キーレンがヘンリーを見ると、ヘンリーはニコリと笑う。
「対策は考えておきます。皆さんは寝ておいてください」
「大丈夫なのか?」
「勿論です」
ユーフェミアの心配にもそう返す。
ヘンリーの言葉を信じ、アンリエッタ達は寝る事にした。
「キーレン、ちょっと」
解散後、ヘンリーはキーレンを呼び止める。
ヘンリーはキーレンのブレスレットをおもむろに外す。
「これが無くても魔法を使っては駄目だよ」
ヘンリーは告げると小屋の外へと出た。
キーレンは扉の閉まった後同じ扉から外に出る。
だが、ヘンリーは居なくなっていた。




