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ペット、ケルベロス。
「ヘンリー、そのペットどうしたの?」
アンリエッタは突然問う。
その質問は村を出て街道を歩いている途中の事だった。
ペットとは勿論ケルベロスの事、魔法で小さくしているのでヘンリーの魔法は常時発動されるが回復も含めると大した事は無い。
だが、魔族の番犬とは言えない為、嘘をつくしか無い。
「拾ったんですよ」
キーレンがオロオロしている側で、平然と嘘をつく。
「可愛いじゃない」
ヘンリーと共に居る事で大人しく人懐っこく見えるケルベロス。
だが、それはあくまでヘンリーにのみだ。
アンリエッタが手を出すと、勿論噛みつく。
「ケルベロスは他の人には懐かないですよ」
笑顔でサラッと言う。
アンリエッタはとりあえず諦める事にした。
だが、絶対無理だと言われると対抗したくなるものだ。
密かに手懐けようと企むのだった。




