ヘングレムは強制送還されます。
「僕の催眠が解けた!?」
ヘングレムは催眠だけには自信があった。
しかし、それはいとも簡単に破れる。
「あんた、何者だ!」
「ただの魔法使いだよ」
心の読めない笑みを浮かべ、ヘンリーは告げる。
「ガルス、牢屋の皆を出してあげて」
ヘンリーの言葉にガルスは頷くと移動する。
「ガルス、お前の主人は僕だ!僕の言うことを聞け!」
「もう、聞く事はできません」
ガルスは冷たく告げると牢屋を開けに向かった。
「さて、君の処遇はどうしようか?和平派の家族はきっと見過ごせないだろうねぇ」
ヘンリーの言葉にヘングレムは青ざめる。
彼がここに来た理由、それこそが追い出されたからだった。
しばらくして牢屋に入れられていた者達が出てくる。
「ユーフェミアさん、彼女達とアンリエッタを連れて洞窟の外まで案内して下さい」
訳の分からないままユーフェミアは言うとおりにする。
皆が出て行くと、再びヘングレムを見た。
「キーレン、こっちへ」
ヘンリーは言うと、もう片方のブレスレットを外す。
「ヘンリー様?」
「ガルスとヘングレムを連れて魔界へ戻りなさい。ヘングレムを自宅に送ればガルスが説明してくれるよ」
「ケルベロスはどうするのですか?」
ガルスは問うと、ヘンリーは考え、逆に問い返す。
「ガルスはどうしたい?」
その質問に、ガルスは戸惑った。
「それは……」
ケルベロスが連れ出された時に連れ戻されない、つまりは用済みなのだ。
帰ってもいい処遇では無いだろう。
「私と旅をさせても構わないし、ガルスが君の父君の下へ連れ帰っても構わないよ」
その言葉にガルスは決める。
「あなた様がケルベロスをお連れ下さい。あなた様と居た方がケルベロスも幸せだ」
それで決まった。
キーレンには訳がわからなかったが、最善の選択だという事はわかった。
「君は家に帰り処遇を受け入れなさい」
ヘンリーは催眠でヘングレムに告げる。
「はい」
催眠にかかったヘングレムはあっさりと返事した。




