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ヘンリーの不安
「魔族の気配が消えない。まさか、接触してないよね……」
部屋の中、ヘンリーは不安になる。
だがそんな事言っても仕方ないし、もう少しすればこの地から去る。
早朝になれば、事前にリサーチした場所で国に戻るのだ。
ヘンリーは二人の部屋に待ち合わせ場所を書いた紙を挟み、宿を出た。
選んだ場所は村の出入り口の近くの空き地。
土の上に棒で魔法陣を書いてゆく。
魔法は魔力を持つ者しか使えない。
万が一使える者がいたとしても土の上なら自然に消えてゆく。
ヘンリーは書き終えるとアンリエッタとユーフェミアを待った。
待ち合わせの五分後、彼女達はやってくる。
「お待たせ」
アンリエッタは言葉を発する。
後ろにはユーフェミア。
だが、それにもう一人キーレンがいた。
「はじめまして、魔術師さん」
キーレンは挨拶をし、顔を上げる。
それを見て、ヘンリーは驚愕した。