今度はネルケディラ城へ
【前回のあらすじ】
《レン》
オルフェから重要な話を聞かされたついでに、前に僕が見たオルフェの過去についての話を聞いた。
極零帝国の事はさっぱりだけど、オルフェには人間の友達がいた事を知った。
でも、何かを隠しているような……。そんな気がした。
さて、アイリスについての情報を集めないと。
さらに翌日、アレクシアが身支度をして宿を出ようとした。レン達にも挨拶をしようとレン達の部屋に向かったが、ドアを開けるとそこには誰もいなかった。荷物も全て無くなっている。
不思議に思ったアレクシアは下にいる宿の店主に話を聞いた。
「あの、レンさん達は?」
「ん?あぁ……、先に1人で出ていったよ。それからお仲間さん達も荷物まとめて後から出ていったね。多分お仲間さん達は走っていけば追いつくんじゃないかな。女王様から呼ばれたって言ってたし」
「そうですか、ありがとうございます」
お礼を言ってアレクシアは宿から出ようとしたが、
「あ、ちょっと!女王様は君も呼んでいるって言ってたよ!」
と店主から引き止められて許可証を渡された。
「あんまり、無理はしないようにね?この前様子を見に行ったけど、かなり泣きじゃくってたみたいだったから」
「いえ、もう大丈夫ですよ。心配してくださってありがとうございます」
アレクシアはそう微笑んで言うと、宿を出ていった。
アレクシアが城に向かっていると、露天商に聞き込みをしているレンの姿がいた。
「うーむ……、魔王だか何だか知らぬが、それらしい人は見かけなかったの……」
「そっか……。ありがとう!」
「いやいや、トルネシア王国を救った英雄様が、こんな野菜売ってるだけのジジイの話し相手になってくれるだけで十分有り難いことですぞ」
そう会話を交わしてその場を離れようとすると、アレクシアに気がついて近づいてきた。
「あっ、アレクシア!その様子だと、少しずつ本調子に戻り始めてるみたいだね」
「レンさん、こんな朝から何してるんですか?」
「情報集め!アイリスの情報を少しでも集めておかないとね!」
レンは笑顔で話しているが、やっぱりアレクシアには作り笑顔のように見えてしまう。
「……そうなんですね……」
「ん?どうかしたの?」
「いえ、何でもないです。それと、ネルケディラの女王様から呼び出されているので、早くお城に行かないと……」
「女王様から呼び出し?僕にはそんな話無かったような……」
アレクシアは不思議に思った。女王が呼び出したのは、おそらく魔王アイリスに関する事をレン達に話すためだと思うので、それに1番関係しているレンに呼び出しがかからないのはおかしいと思ったのだ。
「え?なんでレンさんにはお話が聞かされていないのですか?」
「多分、女王様は僕がまだアイリスに対して頭に血がのぼってるんだと思ってるんじゃない?」
「えぇ……。さすがにもう2日も経っているんですから、もう落ち着いたんじゃ……?」
「まあ、一昨日よりはマシかな」
そんな会話を交わしていると、1人の兵士がレンとアレクシアの元に走ってきた。
「あ、あの!レン・フリューゲル様は……、どちらで?」
どうやらこの兵士はまだ新米のようで、レンの事を知らなかった。レンとアレクシアにとっては、レンは尻尾があるので分かりやすいと思っていたので、その兵士の発言を聞いた瞬間、目を見開いた。
「あ、あの……、僕だけど……」
レンは手と尻尾を上げて兵士に言った。
「え?あぁ!貴方でしたか!」
「何があったの?」
「実は、女王陛下に魔王アイリスからのメッセージが……!」
それを聞くやいなや、レンは表情が180度変わり、城へと駆けていった。
「あ、あの……!レン様!!貴方許可証は!?」
「へ!?許可証!?」
と思いきやすぐにいつものレンの表情に戻り、兵士のもとに戻った。レンは兵士から許可証を手渡されると、すぐに城へと駆けていった。
「あの人、『アイリス』と聞いただけで表情が別人のように変わりましたね……」
「魔王アイリスは、レンさんの師匠を殺した張本人なんです」
それを聞くと、兵士はアレクシアの方を向きながら驚いた。
「何ですって!?」
「……そして、僕のお兄様を……。ハルトマン・アルターレを……」
その名前を聞いて、兵士はさらに驚いて後ろに倒れた。
「だっ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫……、貴方も女王陛下から呼ばれているのでしょう?なら早いところお城にどうぞ……。私は自分で立てますので……」
そう言われて、アレクシアもネルケディラ城へと向かった。
レンは許可証を使ってネルケディラ城の正門を通って2階に上がったはいいが、城の造りかトルネシア城とは違うのでどこに行けばいいのか分からなかった。色々と見回していると、魔導書を抱えている少女を見かけた。
[もしかしたらここの城で働いている学者か魔術師かもしれない。]
そう思ったレンはその少女の元に駆け寄った。
「ねぇ、君!」
「ひゃん!」
少女は急に話しかけられたものなので身体をビクつかせながら驚いた。
「な…、何ですか……?」
「女王様の元に行きたいんだけど、どこに行けばいいのか分からなくて……」
「じょ…女王陛下なら、今は玉座の間に居ます……。あそこに見えるシャ…シャンデリアが連なっている広間を抜けた先です……」
「そっか、ごめんね!時間潰しちゃって!」
そう言ってレンは広間を駆け抜けていった。それを見ていた少女は安堵の息をついた後、フードを被ってどこかに行った。
広間の先には、トルネシア城の玉座の間の扉よりも煌びやかな扉があり、そこを開けると、なんとレイとセトがいた。
「あれ?レイ、セト。なんでこんな所にいるの?」
「呼び出しくらったんだよ。レイは分かるけど、なんで俺まで……」
「1人で復活したレグルスしばき倒したからだろ?多分ネルケディラにもその噂は広まってんだろ」
そんな会話を交わしていると、玉座からネルケディラ女王がレンに話しかけてきた。
「こうして貴方と会う時をずっと待ってましたよ。レン・フリューゲル」
レンは、声をかけられた方を向いた。
レンとネルケディラ女王は、2年前のベスティア戦争の際に会っていないのだ。その後の戦勝祝宴でも、レンは参加せずに旅に出てしまったので、結局会わず終いだった。
「あん……いや、貴方がネルケディラ王国女王陛下ですね?」
「えぇ、ネルケディラ王国第64代女王、ディオーレ・ヴェーラ・ネルケディラです。貴方がたにお話があって招集しました」
最後まで読んでくれてありがとうございます。
課題とかで色々と忙しくて辛い。




