ユニット対抗戦 第二戦 鈴宮ユニットVS伊藤ユニット
第二戦は朔也たちSユニットと伊藤ユニットの試合となった。伊藤ユニットは赤と青の聖銃士をフロントに他の二つのペアが少し下がって待機している。ゴーグルに付属している通信機から生き生きとした双子からの通信が入った。
「なぁ、五十嵐。これって俺たち突撃していいよな?!」
「そうだよな、ただ相手の出方を待つなんてつまんないし、一気に行こうぜ!」
「いや、天地謙くんと譲くん、ここは少し様子を見た方が……」
「いいじゃん、いいじゃん。強気でいかなきゃっしょ!」
双子の言葉に当惑する五十嵐に土屋が双子に加勢した。根負けした五十嵐がため息交じりに告げる。
「わかったよ、先鋒として思う存分やってきてくれ」
「その言葉を待ってたぜ!」
「話が分かるな、五十嵐!」
双子たちは嬉々として宙返りをした。
「それじゃあ、二人をフロントに、僕と土屋君、真山君と鶴来君はフォローを。アタッカーとブロッカーは相手の状況によって臨機応変に対応してくれ」
「わかった……鶴来さん、緊張してるの?」
「いいえ、ステージの方が何倍も緊張していました」
みつきが朔也の方を振り向いて口だけ笑みをかたどる。こんな時でも、こんなささやかな微笑みでも、朔也はつい見惚れそうになる。
「行くぞ、皆! 戦いの始まりだ!」
笛が鳴ると同時に五十嵐が号令をかけた。トンボの羽が躍動し、十二人の聖銃士たちが浮き上がる。Sユニットとして初めての戦いだった。
双子が空をかけていく。伊藤ユニットの赤の聖銃士の光弾が二人を襲うが、軽々と避けながら接敵する。ケンがくるりと一回転しながら背後に回ると、振り向きざま少しの間隙を射抜くようにジョーが赤の聖銃士の人工玉を撃ちぬく。
「ヤッホー! 一人撃墜!」
「油断するな、天地君!」
五十嵐が注意を呼び掛ける。ケンがすぐさま防御壁を張り、背中合わせにジョーも防御壁を形成した。敵陣に残された二人を助けるべく、五十嵐と土屋も敵陣へと向かう。その呼吸に合わせて朔也とみつきも近づく。ケンとジョーに白の聖銃士が集中砲火を浴びせている。その白の聖銃士の背を守るように幽谷が防御壁を展開している。
「鶴来さん、僕が囮になる。その間に狙って」
「……! わかりました!」
並んで飛んでいた二人は分かれ、朔也は幽谷の頭上へと飛んだ。そこから幽谷に連射する。それを遮るように幽谷が銃口を上に向けたその隙をみつきは見逃さなかった。下方から幽谷の玉を撃った。儚い音を立てて玉が割れる。白の聖銃士がその事実に気付き、慌てて防御壁を張ろうとしたが、間に合わない。続けてみつきが球を射抜く。
「ひゅー、鶴来ちゃん。やるね。二人撃墜か」
「でも、いい加減撃たれっぱなしはしんどいな」
「天地君、申し訳ないが、もう少し敵を引き付けてくれるとありがたい。残り時間あと五分だ」
五十嵐と土屋が緑と黄、青の聖銃士と交戦する。緑の聖銃士が防御壁を張り、その背後で黄と青の聖銃士がケンとジョーを攻撃している。朔也とみつきもケンとジョーの防御壁の間に入り、発砲する。徐々に相手を押していくが、そこで試合終了の笛が鳴った。
「あー、終わった」
「結構しんどいな」
双子たちは汗をぬぐいながら地上に降り立った。朔也たちも次々と降下する。そんな六人を鈴宮が冷ややかに観察していた。
「鈴宮司令? 何かありますか?」
五十嵐がおそるおそる尋ねるが、鈴宮はそれには答えず、無造作に告げた。
「十分休憩後、次の試合よ。用意しなさい」
六人はそれぞれに水分補給を行った。朔也は何気なく飛鳥司令のテントを見た。すると鋭い眼をした長谷部と目が合った。その視線は殺気すら孕んでいた。朔也はマヒした様に身体が固まってしまった。
「どうかしましたか、真山君?」
朔也はみつきの声で硬直がとけた。
「……何でもないよ、次も頑張ろう」
なんとか振り向いた朔也はみつきに微笑みかけることができた。もう一度テントの方を伺うともうそこに長谷部はいなかった。
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次回「ユニット対抗戦 第三戦 鈴宮ユニットVS飛鳥ユニット」をどうぞよろしくお願いいたします。




