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新ユニット

 教室に入ると六人はそれぞれ席に着いた。鈴宮は教壇に立ち、サングラスを外した。その瞳は明るい茶色で生気が(みなぎ)っており、朔也が見たことも無いほどの圧倒的美貌だった。


「アタシは鈴宮凛子。あんたたち六人はアタシが選んだんだから、半端な仕事したら許さないわよ」

「え……僕、長谷部君の代わりに選ばれたんじゃ?」


 ふふんと、鈴宮は赤いルージュの引かれた唇を釣り上げる。その微笑みは女神そのものなのに、魔女にしか見えなかった。


「飛鳥はマニュアル人間だから、評価のムラのあるアンタみたいなのを敬遠すると思ってたの。鶴来さえ獲得出来ればこちらは盤石(ばんじゃく)というわけ」

「でも、くじ引きで決めましたよね? 万が一外れてたらどうなさったんですか?」


 みつきがそっと挙手して発言した。


「一応ブラフで長谷部を欲しがったから、二分の一の確率で鶴来を指名出来たわ。だけど、そんな負け犬の理論アタシに相応しくないわね」


 ふっと鼻先で笑い、鈴宮は言葉を区切った。


「外れるわけない。だってアタシ、こういう勝負で一度もアイツに負けたことないんだから。神は必ずアタシに微笑むわ」


 ホーッホッホッホと勝利の高笑いを上げた。それは微塵(みじん)も自分の勝利を疑っていなかった何よりの証左(しょうさ)だった。


「さて、そんなわけで、アンタたちにはこれから結成された新ユニットと対戦してもらうわ。対抗戦よ。試合は明後日」

「鈴宮司令、対抗戦とは何ですか?」


 真っ直ぐ手を挙げたのは五十嵐だった。


「ひよっこであるアンタたちが実際に蛟と戦う前に模擬戦闘をやるのよ。ビシバシ鍛えるから覚悟してなさい! 負けたら承知しないから!」


 そしてと鈴宮は太いマジックでホワイトボードに大書きした。


「このユニット名は……題して『獅子王(ししおう)』。獅子王のスーパーのスペシャルの……そして鈴宮のS! Sユニットここに結成。拍手ッ!」


 六人は鈴宮に圧倒されながら、乾いた拍手を送った。斯くして、ここに六人の新たなユニットが誕生したのであった。


お読みいただきありがとうございます。


次回「作戦会議」をどうぞよろしくお願いいたします。

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