女子風呂
若干、一部描写を加筆しました。どことは申し上げません!
その夜、女子浴場にみつきと樺倉がゆったりとジャグジーに浸かっていた。
「毎日訓練ばっかりで結構疲れるねぇ」
樺倉が風呂の中で体を伸ばした。まだ若干幼さの残るシルエットが浮かび上がる。手足は柔らかな丸みを帯び、成長途中の胸が控えめながら存在を主張していた。丸く柔らかなお尻はまさに天使のそれであった。
「飛行も射撃も肩が凝ります。筋肉つかない、太らないと聞きましたが、なんか体形が変わってきた気が……」
みつきが自らの身体を眺める。すらりと伸びた手足に、程よくボリュウームのある綺麗なおわん型の胸は同世代の少女たちよりも大人の色香が漂っている。
あっと樺倉が声を上げるとみつきの方にじりじりとにじり寄っていった。
「こーんなにナイスバディなのに、なに贅沢言ってるの? その細くて長い脚か、完全に着やせするその豊満なバストか……どっちか寄越せぇ!」
がばっと樺倉がみつきに襲い掛かり、水飛沫が上がる。きゃっとみつきが小さく悲鳴を上げる。
「真由、落ち着いて下さい! それは中年男性の発言ですよ」
「へへん、これに懲りたらこれ以上贅沢言わないことだよ……ねね、みつきちゃんは好きな人いないの?」
「真由、知らない間に飲酒もしましたか?」
「いいじゃん、今私たちしかいないんだから。ここ来る前とか同期の中でも良いよ?」
うーんとみつきが天井を見上げた。
「曲がりなりにもアイドルでしたし、聖銃士になっても恋愛禁止だから考えたこともありませんよ」
遠い目で窓の外を眺めるみつきの言葉を樺倉は茶化さずに真剣に聞いていた。
「みつきちゃんって頭も良いし、運動神経も良いよね。嫌な思いしたこととか無かったの?」
「私は真由が考えているほどの人間ではありませんよ。両親とアイドルを続ける約束は成績落とさないことでしたので、自分のやるべきことで精一杯で周りのこと見る余裕なんててありませんでした。でも、時々は理不尽な思いもしましたが、見た目からして私は違いますからね。でも、親友との約束を裏切るなんてこと、私にはできませんでした。彼女はいつも私を守ってくれていました。本当の私は臆病で弱虫なのです。けれど、今は自分を守れるのは、自分しかいません。彼女が蛟に襲われてから私は変わりました。私も頭に来るとつい口に出してしまい、それで随分損もしたのです。言わずに済むならそうした方が良かった時もありましたが、そういう時こそ笑って言い返してやったものです……この容姿だととても効果的でしたよ」
みつきは苦笑した。
「地下アイドルのこともよく馬鹿にされましたが、私がやりたくて選んだ道ですから後悔してません。聖銃士になったのは予想外でしたけど、でもなったからには全力で向かい合います」
だからとみつきは樺倉の方に向き直った。
「麻美がいなくなり、蛟のことを知って真由が不安なのはわかります。だけど、大丈夫です。必ず生き残れるよ。そして、蛟から皆を守りましょう」
「みつきちゃん……」
樺倉が目を潤ませると、みつきは水鉄砲を樺倉に浴びせかけた。
「ちょっと、みつきちゃん!」
樺倉はタオルで顔を拭うとみつきと顔を合わせて同時に噴き出した。女子浴場に笑い声が木霊していた。
お読みいただきありがとうございます。
次回「治癒魔法訓練開始」をどうぞよろしくお願いいたします。




