#15 #彼Too
『みんな#彼Tooって何だ?返信でもDMでも
なんでもいいから教えてくれ 』
俺はフォロワーの皆から#彼Tooについて
答えを求めた。返信から分かった事は、
#俺Tooのタグを載せる大勢の男達の
不買・不参加運動などから#俺Tooを知り、
彼らがSNS上で訴えてる意見や不満に
賛同してくれる女性が
徐々にSNS上に増えて行ったらしい。
彼女達もSNS上に#俺Tooのタグを載せたり
載せなかったり、各自で
男達の不満や怒りとかに肯定や支持を表す
投稿をしてくれてたみたいだ。
そんな時#彼Tooのタグを誰かが投稿に載せて
#俺Tooを支持してくれる女性達は
#彼Tooを投稿に載せる事で
自然と集まって行ったみたいだった。
フォロワーのみんなが教えてくれた事を
ギュってするとこんな感じだったね。
俺は#彼Tooで検索してみた。
その女性達はどんな事を投稿してるのかって。
『私の会社も男子がセクハラ恐れて
全然話しかけて来なくてすごいギスギスしてます
何がセクハラでセクハラじゃないか
ちゃんと誰かが決めないとダメだと思います
#彼Too 』
『マチアプ潰れて男子マジギレしててヤバ!
う~ん実は私も男だけ有料って不公平じゃない?
って思ってた。女ってさ、こういう所は
男女平等にしろって言わないんだよね。
#彼Too 』
『ていうかさ、マジで全然モテないんだけど怒
ウチらの周りマジで彼氏いなくてヤバくね?
これって男子の恋愛ストライキとかボイコット
みたいじゃね?何で男子がキレてるか
日本さんちゃんとしらべてあげてね
#彼Too 』
色んな女性達が#彼Tooを載せて投稿してた。
男達の意見を支持するような投稿が
沢山見つかったんだ。
俺は女性が応援してくれて当然嬉しかった。
それと同時に気になる事もあったから
返信で#彼Tooの投稿してる女性達に
聞いてみたんだ。
『初めまして。#俺Tooや男達の声を
応援して下さって有難うございます。
所で、その#彼Tooを最初に挙げた人物は
どなたか御存じありませんか?
もし御存じで差支えなければ
ご一報下さいませ。 』
予想より多くの女性達から返信を貰った。
俺は可也のフォロワーを持ってたから
信用されたのかも知れない。
彼女達の返信をまとめると、
Honestyというアカウント名が浮かんで来た。
俺は彼女のアカウントを検索したよ。
確かに彼女は#彼Tooのタグを載せて
沢山投稿してるみたいだった。
それと気になったのは
プロフィールの一番上に
投稿を固定してたんだ。
『男達はセクハラの線引きが曖昧なせいで
告白もプロポーズも恐れてしまってます。
このままじゃ誰も人を愛し愛される事も
出来ない世界になってしまいます。
どんなに男女平等だとか女性が強い時代とか
言われても、愛の告白やプロポーズだけは
男から言って欲しい。
女性とはそういう生き物なんです。
日本政府へ女性としてセクハラの
明確化、ガイドラインの作成などを
強く求めます。
女性の皆さん、賛同してくれるなら
#彼Tooを載せて応援して下さい。
#彼Too 』
Honestyはこの投稿を固定してた。
そしてこの投稿には可也のいいねがついてた。
彼女が#彼Tooの第一人者なのは
間違いないようだった。
俺はこの投稿を見てもしかして……
と思ったんだけどそんな筈は無いと思って
考えるのをやめたよ。
その後もSNS上で女性達の#彼Tooの投稿は
活発になって行った。
Honestyの影響か、特にセクハラの曖昧さで
男が寄って来ない、告って来ない事への
不満と、政府に線引きを
ちゃんと決めて欲しいという投稿が目立った。
『男子が告って来ない(´;ω;`)
でも女から告るのは無理
男が告れる社会にしろや(# ゜Д゜)
#彼Too 』
『男性からプロポーズしてもらうのは
全女性の理想なんです。
政府はセクハラの線引きをハッキリ決めて
男性が恋愛しやすい社会を作って下さい
#彼Too 』
『少子化を直したいんなら金ばらまく以前に
付き合って下さいって言っても
セクハラにならないって国がちゃんと
責任もって決めるのが先じゃないんですか?
#彼Too 』
こんな感じで盛り上がって行った。
メディアもこの現象を特集して
世界が#彼Tooに気付き始めた時、
その日は突然やって来たんだ。
〈キャスター〉
「少子化に歯止めをかける為、政府は今日
恋愛におけるセクハラの定義を見直す
異例の検討に入りました。
SNS上で広がりを見せている、
告白やプロポーズは
男性からしてほしいという内容の
多くの女性からの投稿が、
国を動かす異例の展開を見せています……」
簡単に言うと、
告ったりプロポーズしたりはセクハラとか
ストーカーとかにならないようにするよって
国が言ったって事。
#彼Tooは国の法律を変え始めた。
何というか、手柄を取られたような、
そんな気もするけど、俺は嬉しかったよ。
#俺Tooで集まった俺達はマチアプや
結婚相談所を潰し、世界に男達の声を
届けようとした。メディアも政府も
俺達を無視し続けたが、俺達を支持してくれた
女性達が#彼Tooで集まり、政府に
声を届けてくれて、
結果この国の法律を変える事になったんだ。
何というか、女性たちが俺達を支えてくれた、
助けてくれた、そんな風に思えた。
これで男達の生きづらさが全て解決するとは
思えない。でも十分すぎる結果を出したと
俺は思えたんだ。最後まで政府は男の意見は
聞かなかった事、女性達が声を上げたら
途端に耳を貸した事には今もムカついてるけど。
でも、もういいと、そう思えた。
俺は#俺Tooはもうやめようと思った。
これからはSNSをやる時間も減らそうと、
新しい趣味や生活スタイルを考えようと、
そんな事を考えてたんだ。
それでも何か気になってたのは、
政府の改正案の内容がセクハラ、告白、とか
俺が文句言ってた投稿や俺の思考と
被る気がするって事。
まさか、ひょっとしたら……
いや、やっぱり無い そう思ってた時、
LINEの通知が来たんだ。
『今夜会いたい
そっちに行ってもいい?』
二度と会える事は無いと思ってた
嬢からだった。
つづきも読んでくれたらうれしいな




