表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

#14 破滅

 嬢との縁がプッツリ切れた次の日から

俺は早速風俗に通った。この行動も

嬢が言ってた強がりなのかも知れない。

嬢の不在を他の女で埋めてるだけなのかも。

だが虚しさは無かったんだ。

何故なら嬢が教えてくれた自覚っていう

意識があるから。

俺は強がってるだけだと自覚する事で

自分の生き方をまた肯定できる気がしてた。

嬢を失った損失より

新しい女を見つける宝探しを楽しもうって

そう思う利益を大事にしようって思ってた。


 #俺Tooに出会う前の俺なら今頃

人生の終わりのように落ち込んでただろうね。

だが俺はそうはならなかった。

俺は自分の人生を軌道修正出来てる。

そう思えた。

#俺Tooに出会って俺は変われたんだ。


 そういえば最近#俺Tooのタグ載せてる皆は

どうしてるんだろう?

そう思って俺はSNSを見てみた。


『おいみんな!女性だけ半額にする焼肉店

牛骨を潰してやろうぜ!平気で男性差別する

クソ焼肉店にはみんな行くな!代わりに

みんな牛骨以外の焼肉店に行こう!

#俺Too #牛骨             』


『結婚相談所が軒並み潰れたなら今度は

結婚式場とかのブライダル業界が

ヤバイんじゃないか?女が強すぎる現代に

モヤモヤしてる男はいるか?

思い切って結婚やめてみたらどうだ?

自由に生きようぜ!お前もホントは

誰かにやめとけって止めて欲しかったんだろ?

#俺Too #結婚              』


『男から女にプレゼント贈るなんて

まだやってんのか?女を物でつるみたいな事

空しくないか?メルカリ見てみろよ

お前が女にあげたプレゼントも

そこに出品されてるぞ。え?怖くて見れない?

#俺Too #プレゼント           』


 皆大暴れしてるみたいだった。

#俺Tooは今日も大賑わい満員御礼状態。

俺も久々に投稿したくなった。

ついこの間嬢にセクハラのリスクとかの話を

したばかりだったしね。

いいじゃん、SNSなんてそんなもんだろ?


『いやー4月から自転車の交通ルールが変わって

ルールが曖昧って

ワイドショーのコメンテーターとか

街頭インタビューの人とかが嘆いてるねー。

曖昧と言う問題にワイドショーはちゃんと

スポットを当てて報道してて偉いねー。

……だったらセクハラの線引きが曖昧なのは

なんでスポット当てて報道しないんだ???

自転車よりもずっと前から曖昧なままだろ?

女がセクハラって言えば男はもう

変態というレッテルを無条件に貼られて

人生終わっちゃうだよ。

青切符どころじゃねーぞマジで!!

#俺Too #青切符            』


『セクハラかも知れない行為や言動も

非モテかイケメンかで結果は変わる。

被害を受けた女性の気分や気まぐれでも

いくらでも変わる。

同じセクハラ行為でも女が宝くじ当たって

ゴキゲンだったら

セクハラにならないかも知れないし、

逆に財布とかスマホ落として機嫌悪かったら

一発でセクハラになるかも知れない。

セクハラにルールなんてない。

全部女の、キ・マ・グ・レ

#俺Too #セクハラ           』


『ピロリーン!みんな!僕は愛の星から来た

天使だよ!日本の頭イカレタ政治家共の代わりに

少子化を止めるいい方法を教えてあげるね~

セクハラの曖昧さを無くせばいいんだよ~

みんなセクハラ地雷踏むのが怖いから

女に誰も近寄らなくなったんだよ~

わかったかな~じゃ~ね~!バッハハーイ

#俺Too #天使               』


 俺は久々に沢山投稿した。

いっぱい愚痴って文句言ってあースッキリした。

普通ならスッキリして終わり。

だが俺達にとって#俺Tooは、

夢を叶える魔法の杖みたいになってたんだ。


〈キャスター〉

「日本最大級の焼肉チェーン店牛骨の閉店が

全国で相次いでいます。

また、閉店した店舗のシャッターの前で

男性達が記念撮影するという現象が

全国で起きています……」


〈キャスター〉

「結婚相談所の倒産ラッシュの影響からか、

結婚式場などのブライダル業界の倒産が

相次いでいます……」


〈キャスター〉

「カップルの減少を背景に、

ジュエリー業界で今倒産が相次いでいます。

男性がプレゼントを贈ると言う機会が減り……」


 俺達は#俺Tooで集い影響力を社会に

与えて色んな店や企業を潰していった。

不買・不参加運動テロ集団みたいになっていた。

目的は知らない。#俺Tooを揚げる男達の

考えや動機は皆ばらばらかも知れないし、

俺の知らない所で団結してたコミュニティも

あったかも知れない。

 俺はこのまま大勢の男達が

#俺Tooを載せてSNSへの投稿を続けて

社会に打撃や影響を与え続けたら、

いつか政府やメディアや新聞が

俺達の不満や怒り、具体的には

セクハラの曖昧さやマチアプとかの

男性への不公平とか、男の生きづらさに

気付いて社会に知らしめてくれたらいいなと

漠然と思っていたが、殆ど諦めていたね。

それはないって期待もしてなかった。。

昔からテレビも新聞も政府も

女性への差別や被害は問題視するが、

男性への差別や被害は見向きもしない。

ずっとそうだった。

マチアプは何故男性だけ有料なのでしょうか、

なんてワイドショーで言ってるのは

見た事無い。まあ、だから俺達が

潰してやったんだが。


 なら期待もしてないなら、

俺にとってこの#俺Tooは何なんだろう?

俺の中で答えは見えてたんだ。


 それは、破滅、滅亡、消滅、それに近い。

少子化でこの国が滅びるんなら、

とっとと滅びればいい。

以前俺が投稿したこのメッセージは

今も俺の意識の中で変わってなかった。

男を冷遇するこんな世界さっさと滅びてしまえ。

そう思ってた。

俺はただ破滅を望む者になってた。

テロリストなら破壊の後に政府機関とか相手に

交渉したり、つまり話が通じる可能性があるが

俺の場合は世界や政府と話し合う気もなかった。


 SNSで#俺Tooを元に繋がる大量のフォロワーを

焚きつけて、世界に破滅を促す行動や思想を

ばら撒き、交渉する気もない。

俺はテロリスト以下の存在になってた。

そしてそんな自分に気付いていて、

それを変える気もなかった。


 ある日夜のニュースを見てたんだ。


〈キャスター〉

「特集です。皆さん、今

SNS上で話題になっている

#俺Tooをご存じでしょうか?

男性達がこのタグを載せてSNSに投稿する行為が

活発化しているようです。

かつて女性達の間で大きな現象を起こした

#MeTooを模倣したようなハッシュタグなのも

大きな特徴です。

そしてこのタグを載せた投稿は不満や差別被害を

訴えるだけでなく、不買運動や不参加運動を

促す事が多いのも特徴なんですね。

最近のマッチングアプリや結婚相談所や

焼肉店の廃業も、この#俺Tooが

関わっている可能性があると、

取材で明らかになって来ました」


 テレビのニュースがついに#俺Tooに

目を向けたと俺は思った。

ニュースが俺達の生きづらさを世界に

伝えてくれるかもと、俺は少し期待した。


〈キャスター〉

「このSNS上での現象、どう思いますか?」

〈コメンテーター〉

「そうですね、これは非常に危険な事だと

思います。女性の地位や立場が向上して

自分達の立場が脅かされると感じてる

一部の臆病な男達が危険な行動に出ていると

思いますね。アップデート出来ない男達へ

もっと周知を徹底するべきと思いますね」


 俺の期待は崩れ去った。いや、

メディアに期待した俺が馬鹿だったみたいだ。

男の差別にメディアが振り向くわけないと、

そう思い俺はスマホを手に取り

SNSにまた#俺Tooを載せて、

今度は街に火をつけてやれとか、

テレビ局を襲撃してやろうとか、

そんな事を投稿してやろうと思ってたその時、

ニュースの続きは俺の予想もしない事を

報じたんだ。


〈キャスター〉

「そして、最近この#俺Tooの投稿に

参加するのは男性だけでなく、

女性も増えて来てるようなんですね。

画面をご覧下さい。


『私は女ですが、婚前交渉禁止ルールは

私も反対です。あなたがボロクソ文句

言ってるのを見て、正直スカッとしました』


『男達が怒ってるのも当然だと思う。

何がセクハラかよくわからないままで

まともに恋愛なんて出来る訳ないじゃん

私の周りもマジで彼氏いない

#彼Too               』


『女性の生きづらさだけじゃなく

男性の生きづらさも改善していかないと

本当の男女平等とは言えないと思います

私は女性として真の男女平等の為に

彼Tooに参加します

#彼Too              』


〈キャスター〉

「このように、#俺Tooの男性達の意見に

賛同する女性や、男性達に同調するように

#彼Tooのタグを載せて投稿する女性達も

急激に増えて来てるんですね」


 俺は何が起きてるのか分からなかった。

#彼Tooって何だ?コイツら何言ってる?

そう思って暫くテレビの画面を見たまま

動けずに固まってたんだ。

そしてこの#彼Tooのニュースが

SNSにまた#俺Tooを載せて、

今度は街に火をつけてやれとか、

テレビ局を襲撃してやろうとか、

そんな事を投稿してやろうと思ってた俺を

止めてくれたんだ。


つづきも読んでくれたらうれしいな


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ