―つまらない留置・取り調べ―
桜丘が同級生である仁木が薬物を持ってることを疑い、強制捜査を執行。カバンの中から大量の薬物が出てきたため、その場で逮捕。逮捕された仁木はなぜ薬物に―。
3
本当に最悪だ。最悪以外なんでも無い。なぜバレたのだろうか。いや、そもそもなぜ学校に警察がいるのだろうかー。友達の勧めにより手を染めてしまった「覚醒剤」。学校にある限り、先生がカバンを捜索しない限りわからないようにしていたのに・・・。心に出てくるのは後ろめたさや、後悔ではない。自分の完璧な計画に基づいた「完全犯罪」を破られたことへの怒りだった。拗ねた顔取ってたからだろうか、隣りに座っていた女性警察官に睨まれた。気まずくて窓の外に目を向ける。雨が強くなってきた。
北彩女子中高等学校―。道内で最初に女子中等教育を行った学校として有名だ。セーラー服にマークが付いてるのが特徴だ。その北彩女子中高等学校の横に車は入っていった。
薄暗い地下駐車場から、エレベーターに乗り3階へと向かった。廊下ですれ違う警察官だろう人からは冷たい視線を向けられる。まもなく「特捜フロア」と書かれたプレートの前に来た。桜丘が中に入り、話をしている。
「第2取調室へ。」
そう女性警察官に命じると、エレベーターホールへと戻っていった。
取調室は刑事ドラマとかで見るのよりも小さかったし、籠もってた。女性警察官は、パイプ椅子の背もたれに手を固定すると出ていった。
無音の空間がきつい。時間もわからないまま5分ぐらい経過すると、一人の若い刑事が入ってきた。
「こんにちは。北海道警 少犯対本部の銃器薬物対策課の井伊です。」
その男は名前を名乗ると、すぐに弁解録取書の作成が始まった。調書作成後、取り調べに入った。
「仁木さんは、覚醒剤を持っていたため逮捕されましたが、この逮捕についてどう思いますか?」
自覚はあるし、自分がやったことだがここは否認するべきだろう。
「覚醒剤は誰か別の人に入れられたのです。私は知りません。」
「どういう経緯で入ったと思いますか?」
この刑事は形式的な質問しか出来ないらしい。よし、これは行ける。
「さぁ。逆に刑事さんならどう思います?」
大抵こういったタイプの刑事は質問で返されると詰まりやすい。
「・・・。」
話の主導権を握れた。もう、話すことはない。
「刑事さんは、自分のカバンに変なものが入っていたらどうするの?」
呆れた顔をしながら
「それよりもあなたはどうするのですか?」
主導権を握り直そうと懸命に頑張っている。fight!
「ほっとくでしょう。気にならないし。」
さらりと、返すと
「おかしいですね。人間、普通気持ち悪いから警察に届けよう。と考えるものですけどね。どうやら仁木さんは例外のようだ。もう少し詳しく聞かせてもらえませんか?」
そっちの方向性で攻めてきた。雨上がりの薄暗く陰湿な匂いが窓から流れてくる。
2時間に渡る取り調べが終わった。制服を着た男性警察官に連れられて私は、6階にある「留置所」に収監された。収監に伴い、身体検査や持ち物検査の後部屋(留置部屋)に通された。ドラマ同様、コンクリート剥き出しの空間に鉄格子、トイレは腰のところのみ囲ってあった。監視カメラは常時作動。巡回も1時間に1回の定期巡回と、担当によって変わる「抜き打ち巡回」があった。
留置部屋に入り、お尻の骨がきつくなってきた頃、留置担当の白髪の警察官が鍵を開けて、こう言った。
「弁護士が、接見交通権による面会を希望されているので来てください。」
腰が痛くてたまらない時だった。
それはまさしく、「天の助け」だった。
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