仁木の告白
最終話!少年審判で刑事裁判処分を受けた仁木の判決は―。桜丘本部長、決意を新たに!
仁木の送検から2ヶ月後ー。仁木の送検により桜丘本部長は警察庁より会見でその存在が明かされ、公認された。(公認後、中学校には行かなくなったが)そんな日に突然、面会の要請が来た。断る理由もなかったので許可を出すと、仁木の送検の担当検事「大曲井」だった。裁判書を持ってきた。
「少年審判を受け、起訴すべきと処分され、1ヶ月前から札幌地方裁判所で第一審を始めました。そして昨日判決が下ったのでお知らせします。」
そういうと、裁判書を差し出した。
[ 主文
被告人を懲役3年に処する。
なお、裁判開始日より3年間右刑の執行を免除する。 ]
「控訴するんですか?」
悔しそうに話す大曲井を見てると疑問に思った。
「その予定だったんですが・・・。」
裁判所から「桜丘警視長による勝手な荷物検査を行ってから令状を請求していた事実がある。しかし、なんとか有罪に出来たのだから我慢してくれ。」と言うそうだ。
「しかし、学校駐在関連法は施行されていますよね。だからそれに基づいて検査を行ったんですが。」
大曲井は呆れ顔になった。
「施行1日前だったんですよ。」
それを聞いてしまった!と思った。
「逮捕日時は?」
「現行犯逮捕なので」
「時刻を誤った証言を取ればいいのでは?」
素人すぎる提案にため息で返事をして裁判書のコピーを置いて去っていった。そこには「弁解録取書」などのコピーも入っていた。秘書(本部室長職員)に電話を取り次がないように指示を出し、早速開封した。
[ 弁解録取書
私は、知人の厚真景子と言う人から毎週日曜日に遊ぶ約束をしていました。ある日、厚真さんから誘いが有り、町中心部に出かけたところいかにもヤクザっぽい人から封筒を貰ってました。私に気づくとヤクザっぽい人は立ち去りましたが、厚真さんが『この封筒の中身をあげるから誰にも云うな。』と釘を差し、封筒の中身の使い方まで教えてくれました。その指示通り使うとストレスや勉強のことを全部忘れられるようになりました。その翌週にもう一度厚真さんに封筒の中身を貰いに行くと、『この前の男から貰うように。』と指示があったので、小遣い1万円を持ってヤクザっぽい人に会いました。『一万円でこの前の封筒の中身の半分だ。』と言われ、借金1万円でこの前の封筒の量を貰いました。その後、どんどん金額と分量が多くなり気づいた頃には厚真さんよりも大量に貰っていたことがわかりました。そうしているうちに借金が30万円を超えてしまい、支払いができなくなりました。支払いができないとわかると車に乗せて組の事務所に連れて行かれました。すると、組長らしき人物に『お支払いは30万円ですねぇ。払っていただかないと我々の生活が大変でしてね。』と脅してきました。そして『今日中に払えないならば、働いてもらう』と云うのです。働かないと学校に報告するぞと。なので、お金を得るために転売しようと思いつきあの日、別の組員に売るつもりだったんです・・・。]
変な友達とつるんでいた挙句の果て、薬物犯罪・暴力団との関わりまで持つとは・・・。改めて蟻地獄のように感じた。蟻地獄―。一度入ったら二度と上がってこれない。まさに警察に捕まるまでは這い上がれないのだろう。だからこそ、警察庁少年犯罪対策委員会・各都道府県警察 少年犯罪対策本部・少年犯罪対策課が役に立たねばならない。そう思った時、ドアがノックされた。
「本部長、少年特捜一課より伝達です。茨戸地区の市立茨戸高等学校で転落死体発見の通報だそうです。」
転落死体―。自殺か、他殺か。初めて少特一課が担当する事案だ。当然、帳場も立つ。行く以外選択肢はなさそうだ。
「了解。暫く開けるわ。」
そう言うと、まっすぐ国旗と道旗に敬礼をし、引き出しに鍵をかけ豪雪地帯「茨戸地区」へと向かった。
本作をお読みいただきありがとうございます。何分、初めてなことなので改定がたくさんありましたが、本作は無事、連載終了しました。最後までお読みいただいた方々に感謝申し上げます。さて、仁木の告白―。本作は実際にあった事件に加筆していますが、概ねの事件概要は変わっていません。今現在、こうした「暴力団トラブル」は非常に多いようです。全国規模で「暴力団トラブル」はなくしていかなくてはならない。だからこそ、少年犯罪対策委員会を警察庁に、そして各都道府県警察には少年犯罪対策本部・少年犯罪対策課を設立し、「少年事件 0」を目指して行くべきだと思います。
さて、次の北海道警察少年犯罪対策本部―桜丘本部長の事件簿②―は、茨戸地区(札幌市北部)で転落死体が発見され、本部長以下「幹部」が事件捜査を担当します。遺体に隠された秘密、自殺か、他殺か。
今度こそ、ミステリーになるように筆者も素人ながら頑張っていきますので応援をどうぞよろしくお願いします。




