第三話「人間の適応力って意外と高い」
前書きに書くことが無い。
「こんなもんでいいか」
地面に落ちる斬られた木の葉を見ながら呟く。
空を見れば既に昼を過ぎた頃になっているだろう。
(複数の葉を斬るのは巧くいくが、一つの葉を斬ろうとすると駄目だな)
一枚の木の葉を拾い上げながら考える。
(人を斬る気は無いが向こうもそうだとは考えないほうがいいだろう)
最悪の事態を考えてゾッとしたが直にその考えを振り払い、別のことを考える。
(練習はこの辺で終わりにして、手紙書いてある街に向うか)
森の目印と手紙を見ながら街に向かって歩き出した。
「僕の名は、『ギル・アルフォード』。後のメイドは『マリー』。
同じ世界から来たよしみだ。ギルで構わないよ。君の名は?」
街に着き、情報なら酒場かな?と考え酒場に入ると金髪の日本で言う所の外人の少年が自分と茶が少し入った黒髪に茶色の目のメイドさんの自己紹介してきた。
「俺の名前は『富士・遼太』。
俺の事は遼太と呼んでくれればいい」
自分も自己紹介をする。
「そうか、リョウタ。突然だが、君は何者でどうしてこの世界に来たんだい?
そして、この世界について何処まで知っている?」
ギルは右手を少し後に下げながら言う。
(警戒してる? 正直に知ってる事を言うべきか)
少し悩んだが正直に言う事にした。
「元の世界で黒猫を助けようとしてトラックに轢かれてな。
その後、天使に会ってその天使にこの世界に行くしかないと言われたのでこの世界に来たんだ。
この世界について知ってる事は、この世界が神々が優劣を競う為に造った世界だとしか知らないよ」
ギルはマリーと名乗ったメイドの顔をチラリと見てからこちらを見る。
「そうか、失礼した。
お互い知ってる事はほぼ同じみたいだし、ここは暫くの間協力しないか?」
ギルの提案を聞いて考える。
(何が目的だ? 自分の身の安全のためなら見ず知らずの人間を誘ったりはしないはずだし、他の事が目的だとしたら何が目的なんだ?)
考えるがギルと名乗った少年の考えが分からないのでこう返す。
「もう少し、話をしてから考えてもいいか?
ギルが何を望んでいるか知って方が協力時に力になれるだろう?」
ギルはマリーを一瞬だけ見て頷き、酒場の端の一角を指差す。
「それもそうだね。あちらでももう少し詳しく話そう」
そう言うとギルは指差した方向に歩き始め、マリーもそれについて行く。
俺もその後を追い、端の一角まで来た。
「では、僕が何故君が必要かを言おう」
ギルは右手を胸の辺りまで上げる。
「先に言っておくと、僕の能力は『空想具現』だ。
これは、頭の中で考えたものを具現化する能力だが、僕が具現化出来るのは銃だけだ」
ギルが眼を瞑ると右手にハンドガンが現れる。
「見て分かるだろう?
僕の能力は後衛向きなのさ、前衛はマリーが居るんだが安全の為にもう一人欲しかったんだ」
ギルがハンドガンを地面に落すとハンドガンは地に当たる直前で消える。
それを見て合点がいった。
ギルは俺に『戦闘時の安全の為の壁』として役割を望んでいるのだ。
「これが僕が君と手を組みたい理由だ。後、他にあるとすれば君が正直者だからかな?」
そう言ってギルは右手を俺向けて差し出す。
俺はその手を握る。
「正直者か。意外とそうでもないかもよ?」
ニヤリと笑って見せるとギルもニヤリと笑い返す。
「そうかい。君とは親友になれそうだね」
「ああ」
握手しながら笑う俺達は周りからどんな風に見えるのか、等と考えながらもギルとは仲良くやっていけそうな気がした。
今回の流れは一応、練習終了→街に移動→酒場でギルとマリーに会う→ギルとマリーの二人と共闘関係に。って、書きたかったんですが、どうでしょうかねぇ~。書きながら練習して少しでも変な箇所が減ればいいな~、と思ってます。




