Β(ベータ)パート:「再会の時」
もんじゃ焼きの食事兼食レポを終えた帰り道、ツナとアイはトーキョーヤの街を歩いていた。
夕暮れの街路には、オレンジ色の光がビルのガラスに反射し、歩道を染めている。小さな店舗からは焼きそばやたい焼きの香ばしい匂いが漂い、街ににぎやかな人々の声が混ざる。
歩いていると、ひときわ見覚えのあるシルエットが視界に入った。
「……おや、アイとツナじゃないか」
低く落ち着いた声。ジャッジ個体識別コード:JX-3Rが、赤い閃光が光る無機質な顔だが微笑を浮かべているように見えた。
「久しぶりだな。勉学に励んでいる様で何よりだ」
肩の力がふっと抜けるような言い方に、ツナは思わず笑みを返す。
「……お久しぶりです、JX-3R」
アイも軽く会釈した。
「行政庁本庁での定期ボディ&システムメンテナンスのための立ち寄りだ。君たち、ちゃんと休息も取っているのか?」
アイがメンテナンスを終えたばかりだと告げると、ジャッジの問いに、ツナは小さく肩をすくめた。
「まあ……ぼちぼちです」
街路沿いの小さな公園を抜けると、子どもたちが遊ぶ声が聞こえてくる。ブランコを揺らす影、滑り台を滑る歓声。ツナはふと、昔の自分と重ねて視線を落とした。
「この街も少しずつ変わったな……」
「時の流れは、人も街も変えていくものです」
アイがそっと呟く。
「勉強や制度の話だけでなく、こうして街を歩き、人々の様子を見ることも、大切なんだろうな」
ツナの言葉に、ジャッジは僅かに頷いた。
「そうだな。現場を知らなければ、支援も制度も生きたものにはならん。君たちの活動も、そういう意味で価値がある」
旧友との会話は、硬い省庁や制度の話題とは違い、少しだけ肩の力を抜かせてくれる瞬間だった。
ツナは笑みを浮かべながらも、胸の奥でざわつく感情を感じる。小さな旅の延長でしかなかった日々が、少しずつ国の中枢とつながり始めていることを、無意識に受け止めていた。
アイが暫くはトーキョーヤにいるのですか?と聞くとジャッジは今月いっぱいはここにいる。その後、人手不足のナンセイン諸島地方を重点的に回る予定だ。
「また時間があるときに、こうして話そう」
ジャッジが静かに言う。
ツナは小さく頷くと、三人とは並んで歩き出す。夕暮れの街は、どこか温かく、次の一歩を後押ししているかのようだった。
この作品は「空銃(人間)× AI(構成協力)」による共作です。
ツナ(人)とアイ(AI搭載ロボット)の関係のように、互いの違いを認めながら一緒に旅する物語です。
ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。 「空銃 × AI」
今回の一言
大事な人は何度も出会う「人それを運命と言う」 空銃




