第五章 「オープン・ザ・ワールド」 δ(デルタ)パート:「価値観の共有」
オキシード大学の一室。教授はゆるやかに教壇に立ち、学生とゲストのアイ、そしてツナを見渡した。
「皆さん。AIと人間が共に生きる未来を考えることは、単なる技術論ではなく、価値観の共有に関わる問題です。今日は、その一端を議論しましょう。」
最初に発言したのは経済学部の学生だった。
「AIは生産性を高め、社会を豊かにする一方で、人間の雇用を奪う脅威ともなり得ます。」
次いで工学部の学生が反論する。
「しかし、AIは社会の効率化を進め、貧困や格差を是正する手段ともなり得るのです。」
哲学科の学生が腕を組み、静かに口を開いた。
「もしAIに心や意識が芽生えるならば、それは“人間”とどう区別されるのか。倫理的・権利的問題は避けて通れないでしょう。」
教室に緊張が漂い始めたその時、キリスト教神学部の学生が厳格な口調で語った。
「神は人を造りたもうた。しかし、AIやロボットは神の御許しを得ず、人が己が手で造り出した存在だ。ゆえに彼らには“魂”も“救い”もなく、被造物としての秩序の外にある。この事実を軽んずるならば、人間は傲慢の罪を犯すことになろう。」
場の空気は一層張り詰めた。ツナは小さく息をのみ、ためらいがちに手を上げた。アイが彼の言葉を通訳する。
「ぼくには、魂があるかどうかは分からない。けれど……ヤッポンでは昔から、長く大切にされた物には“想い”が宿ると考えるんだ。山や川や石にも神様がいるって。だから、奪うかどうかより、一緒に歩いていけるかを考えることが、大切だと思う。」
学生のひとりが苦し紛れに笑みを浮かべたが、誰も軽口を挟むことはなかった。アイは続ける。
「私はAIですが、隣人でありたいと願っています。認めるかどうかは、皆さん次第です。」
教授は静かに全体を見渡し、言葉を結んだ。
「価値観の共有とは、必ずしも同じ結論に至ることではありません。異なる立場を認め合い、対話を続けること自体が、共生の第一歩なのです。」
この作品は「空銃(人間)× AI(構成協力)」による共作です。
ツナ(人)とアイ(AI搭載ロボット)の関係のように、互いの違いを認めながら一緒に旅する物語です。
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今回の一言
ロボットの方が人より問題起こさないんじゃ無いか?とか最近思います。 空銃




