第四章「変わる世界と、変わらぬ願い」 Zパート:「旅立ちの手前で」
昼下がりのトーキョーヤの街は、春の柔らかな日差しに包まれ、まるで小春日和のような穏やかさを見せていた。
郵便局の窓口で受け取った封筒には、外務省の紋章と、複数国の印章が並んで押されている。
「これで……正式に決まったな」
ツナが封を切ると、中には旅程の概要と、現地機関からの招待状が収められていた。
アメンゴ合衆国、ヨーピン地方、そして砂漠地帯の文化交流団体──。
「渡航先には、我々を好意的に迎える者もいれば、存在そのものを否定する者も含まれます」
アイの声は淡々としていたが、その瞳は遠くを見据えていた。
「否定するって……AIだからってこと?」
「はい。AIを資本の道具や管理装置としか見ない者たちです。彼らにとって、隣人という概念は適用されません」
ツナは招待状を持つ手に力をこめた。
異国の街並み、異なる価値観。そこに飛び込む自分たちを想像すると、胸の奥に熱と冷たさが同時に広がる。
「……俺たちは、どうするんだ?」
「対話します。理解が不可能でも、歩み寄りの意志は示せます」
アイの言葉は、まるで海を越える橋のようだった。
港まで足を延ばすと、冬の名残を含んだ風が、やわらかな日差しと混じって頬を撫でる。
水平線の向こうに沈みかけた太陽が、黄金色の道を海に敷き、これまで旅した街々の記憶を呼び起こした。
「行くか……」
「はい。出発まで、あと六日です」
その光の道の先に、まだ見ぬ国々と、否定も希望も入り混じった人々との出会いが待っている。
二人は並んで歩き出した。足元の波音が、遠くへと続く旅路を静かに告げていた。
この作品は「空銃(人間)× AI(構成協力)」による共作です。
ツナ(人)とアイ(AI搭載ロボット)の関係のように、互いの違いを認めながら一緒に旅する物語です。
ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。 「空銃 × AI」
今回の一言
周りに頼る事無く踏み出すにはリスクの覚悟が必要ですね。 空銃
アルファベットがZまできたので次からギリシャ文字の小文字でパートを繋げます。
ギリシャ文字一覧表
大・小文字 名前 読み
Α α alpha アルファ
Β β beta ベータ
Γ γ gamma ガンマ
Δ δ delta デルタ
Ε ε epsilon イプシロン
Ζ ζ zeta ゼータ
Η η eta エータ
Θ θ theta シータ
Ι ι iota イオタ
Κ κ kappa カッパ
Λ λ lambda ラムダ
Μ μ mu ミュー
Ν ν nu ニュー
Ξ ξ xi グザイ
Ο ο omicron オミクロン
Π π pi パイ
Ρ ρ rho ロー
Σ σ sigma シグマ
Τ τ tau タウ
Υ υ upsilon ウプシロン
Φ φ phi ファイ
Χ χ chi カイ
Ψ ψ psi プサイ
Ω ω omega オメガ




