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第三章「ニセコン町の影」Rパート:「旅立ち、そして春へ向けて」

 旅の支度を終えたツナが、駅のホームに立っていた。冬の終わりを感じさせるが、まだ冷たい風がコートの裾を揺らしている。

 あれから幾日かが過ぎ、ニセコン町の騒動はようやく沈静化を見せていた。

 アイは、AI管理センターでの定期メンテナンスが決まっており、しばらくは行動を共にできない。

 ジャッジもまた、「保護の必要なし」として、ツナを一人の個人として見送る判断を下していた。


 「このまま誰かに流されるだけじゃ、また迷ってしまう気がして……。少し、自分を試してみたくなったんだ」


 そう語ったツナに、アイも無理には止めなかった。むしろ、彼が自分の足で歩き出そうとするその背中に、彼女は少しだけ、誇らしげな視線を送っていた。

 

 新たに個人で請け負った企業案件のロケ地は、ヒョッカイドから本州へ渡ったある町――新たに個人で請け負った企業案件のロケ地は、ヒョッカイドから本州へ渡ったある町――サトーナと言う地方都市(山形県 鶴岡市がモデル)。地元の観光振興を兼ねたSNSプロジェクトだという。


 「しばらくしたら、私もそっちに合流できると思うよ。メンテナンス、すぐ終わらせて追いかけるから」

 ツナは小さく笑い、肩に背負ったカメラバッグを揺らす。


 「じゃあ、また次の現場で」


 そう言ったアイの声に、ツナは背を向けたまま手を振った。電車が到着する音がホームに響く。

 ほんの少しだけ、あの日の雪が残るホームの端に、春の気配がかすかに漂っていた。

この作品は「空銃(人間)× AI(構成協力)」による共作です。

ツナ(人)とアイ(AI搭載ロボット)の関係のように、互いの違いを認めながら一緒に旅する物語です。

ブクマからの「しおり」機能をお使い頂ければ幸いです。 「空銃 × AI」

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