駄犬参上。
さて、どうしたものか?
最近めでたく誕生した磨鳥トカトカの雛たちにエサ(魔力)をあげたり、栽培している作物を採りに森の木に帰っていた私が剣に戻ってくると現在の状況だった。
真っ暗。
揺れてる。
そして、一人ぼっち。
冷静に現状把握すると、私(剣)は袋の中に入れられている事が分かる。
この揺れから察するに、馬車もしくは馬で運ばれている。
そしてそして、一人ぼっち。
近くにウィルや妖精のレンちゃん、黄金スライムのキリの気配はない。
いや、待てよ?少し離れたところに見知った気配がする・・・リク?
私を乗せた荷馬車(多分そうだろう)の後を追って来ている。
毛玉にしか見えない愛玩魔獣のリクは可愛いがお惚けキャラだ。
それなのに!!あのボケボケの(オイオイ)何も考えていなさそうな(コラコラ)残念臭漂う駄犬 (ヒドイ)が!
私を救いに来てくれた!?
この状況からすると私(剣)は盗まれでもしたのだろう。
それ以外にウィルが大切な剣を手放すはずはない。(私の事は捨て去りたくても父親に貰った剣は大切なはず)
「ワウ!!」
大きなリクの吠える声が間近に聞こえ、気配でも馬車と併走するように走っているのが分かる。
リク、ありがとう!君は名犬だ!ラッ○ーだ!ハチ公だ!
さあ、悪者から私(姫)を救って!
リクに気付いたのだろう、馬車が止まった。
くぐもった声が聞こえ、会話の中に「愛玩魔獣」という言葉が混じる。
愛玩魔獣は貴族に人気なので高く売れるのだ。
「捕ま・・・えろ?」
大声を張り上げようとした男の声が、戸惑いで尻窄みに小さくなる。
リクは取り囲む男達を尻目に、ピョンっと私の入れられた袋の上に飛び乗り、くるりと一周回り丸くなりちょこんと座していた。
そして・・・寝た。
おい、こら、駄犬!!何しに来た~~~~~~~!?




