嫁姑問題。
『ウィルさぁ、手土産とか用意しなくていいの?』
『手土産?なにそれ?』
いろいろあった道中だったが、本日、漸く王都に到着した。
今からカルム叔父さんの家に行くらしい。
つまり、ウィルのお父さんの実家であり、ウィルの祖父母が住む家だ。
『人を訪問する時に挨拶がわりに持っていく品物のことだよ』
『え、そんなのいるの!?』
あれ?この世界では“手土産”って習慣ないのかな?
ウィルは子供だから手土産を用意するのは親の役目ということになるだろう。
しかも、ウィルママは長男の嫁だ。
持っていかないと「あの嫁はダメね!」となってしまうと考えられる。
そして、「うちの大事な長男は任せられませんわ!」「お義母様ひどいです!私だって一生懸命やってます!」ってことになるんだよ。
『嫁姑問題勃発だよ!!』
『・・・?』
『だから!ウィルのお母さんがお祖母ちゃん達から悪く思われるってことだよ!騎士の家なら礼儀に厳しそうだし!』
『そ、そうなの!?』
『流石、カリン様は博学ですね!』
『たいへんなの~』
そうだよ!何事も最初が肝心だよ。
渡す手土産が今後の嫁姑の関係を左右すると言っても過言ではありません。
だが、しかし!ここでみんなの味方カリンちゃんの登場です!博学な私にお任せなさい!ホ~ホッホ!
『フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ』
『ど、どうしたの?』
『ウィル、話しかけたら駄目だよ!目を反らして!』
『さくらんなの~』
『ワウ~』
錯乱!レンちゃん、生まれたての妖精さんなのに難しい言葉知ってるね!、って、おい!
・・・ハッ!・・・もしかして、今、完璧なのりツッコミが出来たのでは!?苦節○年(生後数週間です)漸くお笑いの頂きへと至る道に一歩踏み出せたのね!(感涙)
長かった!(生後数週間です)
つらい修行の日々。(生後数週間です)
ウ、ウウ。(バカです)
『最近、剣が重くて疲れるんだよね』
『捨てるしかないかな・・・』
『ふういんするの~』
レンさん、封印は勘弁してください!祟りませんから!あと、捨てるのもやめて!お願い!
『て、手土産はこれでどうかな?』
ハチミツ擬きにナッツを入れ、きちんと瓶詰めしたものを取り出す。パンなどにのせてお食べください!
お土産は見た目も大事ですから、リボン掛けときましたよ!
「ウィル?そろそろ着くよ」
カルム叔父さんがウィルに笑顔を向ける。
おっと、もう着いちゃうみたいです。
ウィルは私が押し付けた蜜の瓶を緊張したように握り締めています。
いよいよ初対面です!
ドキドキ。




