お祖父ちゃんとお祖母ちゃん。
「父さん、母さん、彼が兄さんの息子のウィルだよ」
カルム叔父さんが目の前に立つ祖父母に紹介してくれる。
お祖父ちゃんは厳めしい顔をしてこちらを見ているし、お祖母ちゃんの方は少し不安そうだ。
歓迎されてないのかな?
「は、初めまして、ウィルです。よろしくお願いします。え、えっと、しばらくお世話になります」
少し噛んだが、母さんに叩き込まれた挨拶をして頭を下げる。
『皆、固い!固いよ!』
『そうですね、皆さんがスライムなら固くなんてならないんですけどね!』
『おー!キリ、それスライムの鉄板ジョーク?いいね!』
『ジョークなの~』
『ワウ~~』
台無し!こいつ等にかかると緊張感なんてなくなるな。
まあ、ほぐれたけどね。ありがと。
ワウワウ言っているリクを拾い上げ、モコモコの毛玉を撫でてやる。
「まあ、それは愛玩魔獣?」
お祖母ちゃんが、話しかけてくる。
「はい、拾いました」
「そう、可愛いわね」
「ありがとうございます!」
リクを褒められたのが嬉しくてお祖母ちゃんに満面の笑みを向けると、お祖母ちゃんもにっこりと笑った。
「初めまして、ウィル。会えて嬉しいわ。私のことはお祖母ちゃんって呼んでね。堅苦しい家ではないのでそんなに改まらないで。この家を我が家と思ってくつろいでね。ほら、あなたも怖い顔してないで何か言ってください。ウィルに嫌われてしまいますよ!」
優しく挨拶してくれたお祖母ちゃんが、ずっと固い表情のお祖父ちゃんを促す。
「ごめんなさいね、ウィル。この人、緊張すると怖い顔で固まるの。駄目ね~」
どうもお祖父ちゃんは俺が嫌いなのではなく、緊張しているだけみたいだ。よかった!
お祖母ちゃんも優しい人みたいだし、安心したよ。
「ウィル、私はお祖父ちゃんだ。よろしく、頼む」
なぜか、ちょっと片言なお祖父ちゃん。
緊張のせいだと思うと、お祖父ちゃんがすごくかわいい人のように思えてくる。
「お祖父ちゃん、よろしくお願いします!」
「うむ」
心なしか嬉しそうにお祖父ちゃんが頷く。
「まあ、ずるいわ!ウィル、私のことも“お祖母ちゃん”って呼んでみて!」
「お祖母ちゃん、えっと、あ!これ、どうぞ」
お祖母ちゃんにずっと忘れていた手土産を差し出す。
これ本当に必要?まあ、蜜は美味いから喜ばれるだろうけど。
「あら、ありがとう。これは、蜜に木の実?蜜なんて貴重なものいいの?」
『いいよ~売るほどありますから!っていうか、売りますから!感想聞かせてくださいね!』
『いよいよカリン様の計画が始まるのですね!』
『カリンママ、がんばるの~』
計画か・・・不安しか感じないんだけど・・・
今度は何をやらかすのかな?
っていうか、手土産がどうとか力説してたけど、試食させたかっただけじゃない?まあ、いいけどさ。
「ウィル、どうしたの?」
「え?あ、ごめんなさい。村の近くの森で採れる(?)蜜だから食べて!」
「そう、じゃあ、頂くわね。この人も甘党だから内心大喜びなのよ」
お祖母ちゃんがお祖父ちゃんの方を見る。
甘党!やっぱりお祖父ちゃんかわいいね!
不安もあるけどなんとかやっていけそうだね。
よろしく!




