まだ干物。
「世話になったな、坊主に"試食"ってやつを教わらなかったら、1枚も売れんとこじゃった」
干物売りのお爺さんがウィルに(延いてはこの私に!)頭を下げた。
「気にしないで!俺も上手いもの食べれて得したしさ!」
ウィルが爽やかな笑顔を向ける。
流石我が弟子ウィル君ですね!
笑顔は大事ですよ!女は愛嬌と言われますが、男子にこそ愛嬌は必要です。
"可愛気"、これがモテの大事な要素なのです。
しかも、老人や子供に親切にすると、更に10倍ポイントが貰えちゃいます。
たくさんポイントを貯めて高得点を目指してね!
「世話になった礼にこれをもらってくれ」
お爺さんはそう言って荷物の奥にあった干物を取り出した。
「あれ、売れ切れたんじゃなかったの?」
「ああ、これは坊主にやろうと思って取っておいたんじゃ」
ウィルの問いにお爺さんがにこやかに答える。
「ホント!?ありがとう!!お爺さんはまた売りに来るの?」
「ああ、定期的に売りに来れば村の大事な収入源になりそうだからな。帰る時に村では手に入らない物を買って帰れば皆喜ぶしな」
成程、自給自足や物々交換では貨幣は手に入らないもんね。後は行商人に村の物を売るくらいかな?
ここは小さな町だが、お爺さんの村よりはいろいろな店があり手に入る品物も豊富だろう。
あ、そうだ!
『じゃあ、私達の泊まってる宿に売り込めば?市場で売る手間もないし安定した収入が得られるよ』
『『『え!?』』』
3人が同時に私の方(剣)を見る。
『カリンママが!?』
『真面なことを!?』
『言いましたね・・・』
『ワウ?』
『『『そんなバカな!!』』』
おい!流石に心の広いカリンさんでも怒りますよ!
私が今までろくな事をしてこなかったとでもいうような皆の反応はなんなのか!?
木の実に生を受けてから幾星霜、いろいろ良い事したよ!
例えば・・・・・・・・・・・・・・・いろいろだよ!
『皆、酷いよ!』
『カリンママ、ゴメンね~』
『ごめん、カリン』
『カリン様、申し訳ありませんでした』
皆謝って来るけど、そんなに簡単には許せませんよ!もう激おこプンプン丸だよ!
『でも、カリンの案すごい名案だよね!』
『うん、流石カリン様です。珍しくて美味しいものなら宿でも喜んで扱ってくれそうです』
『カリンママ、かしこい~』
でしょ!?だよね~知ってた!
フフフ~ン、ルンルン。
(単純バカ・・・)
キョロキョロ。
今、幻聴が聞こえなかった?気のせいかな?
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「これは美味しいね」
「はい、お客様に出せば喜ばれるでしょう。この宿の名物になるかもしれません」
カルム叔父さんと「こもれびの宿」の主が干物に舌鼓を打っている。
かなり高評価です!干物美味しいもんね~
「では、この宿で定期的に買ってもらえるじゃろうか?」
「はい、喜んで買わせて頂きますので是非お持ちください!」
「おお、それは助かる」
お爺さんも宿の主も満足そうな笑顔を浮かべています。
フッ、私いい仕事したね!名コーディネーター、カリンちゃんとは私のことです!迷じゃないよ、悪しからず!
レンちゃん辺りが言いそうなので、先に断っておきます!
「じゃあ、儂はそろそろ村に戻るとしよう。坊主、またな」
「うん、またね!」
お爺さんは皆に頻りにお辞儀をして帰って行った。
もっと町散策したかったけど、結構遅くなってしまったから無理みたいだね。
まあ、明日は王都に着く予定なので、王都散策すればいいかな。やっとだね!
ではでは、ここで一句。
干物食べ 王都はまだか 遅遅遅遅遅




