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木の実に転生  作者: B.Branch
19/45

火サス。

今日はいい日、のはずだった。


ヌワールに乗せてもらえて、フレーズの実も摘めた。

しかも、カルム叔父さんのお陰で薬草が生えてるところまで行けたから、薬草も採れた。


そして、今、血塗(ちまみ)れの死体が目の前に転がってる。


マジか!?どうしよう!?

生き物はもう拾うなって言われてるし、いや、生きてないならいいのか?

違う違う、不謹慎過ぎた。死体さん、ごめん。


混乱してまともに考えられない。

だって死体!!で、血塗れ!!

これはアレだよな。第一発見者は何か見たと思われて狙われるんだ。そんで、悪い奴らがほぼ殺されたところで探偵が崖で謎を解くっていう・・・・・・


よし、落ち着こう。

ここは村の外れで俺と村の仲間の秘密基地だ。

実はここでチビを拾った。

秘密基地は空き家になったボロい小屋だ。


チビもこの人(死体)も村の中のこの小屋に入れたってことは、村を囲ってる柵が壊れてるのかもしれない。


「う、う、ぅ」


っっ!!死体がしゃべった!!

いや、生きてる!!

ヤバい、呑気に混乱してる場合じゃなかった!!


ワウ!!

おお、リク、久しぶりの登場だな!!

忘れてたわけじゃないから安心してくれ!!

ホントだよ?


「リク、この死体さんを見ててくれ!!父さんを呼んでくる!!」


俺は大急ぎで家に駆け戻った。


バタン!!

「父さん!!死体さんが生きてる!!」


「!!生ける屍!!魔物!?」

父さんとカルム叔父さんが椅子を揺らして立ち上がった。


「違うよ!!あー、だから、ケガ人!!」


(まぎ)らわしい言い方をするな!!どこにいる!?」

「村外れの空き家だよ」


俺が答えると、父さんとカルム叔父さんは用意を整えて戸口に急いだ。


「ウィル!!村長に知らせてきてくれ!!」

「分かった!!」


村長の家は村の中ほどにある。

人のさそうな爺ちゃんだ。


「村長!!村の外れの小屋にケガ人がいて、今、父さんとカルム叔父さんが見に行ってる!!」

俺が庭先にいた村長に訴えると、笑顔だった顔が緊迫したものに変わる。


「なんと、よし、荷車を用意して人を向かわせよう。大事ないといいが」

「よう、ウィル!!ケガ人ってマジで!?」


村長の孫のルラックが興奮気味に聞いてくる。


「ああ!!俺たちの秘密基地で見つけたんだ!!」

「よし、行くぞ!!」

「待ちなさい。お前たちは留守番じゃ、ウィル、ジョリーが心配してるはずだ。家に戻りなさい」

ルラックが走り出そうとすると、村長の静止の声が割って入った。


「え~~祖父ちゃん、俺も行きたい!!」

「ダメじゃ、危険があるやも知れん。家にいなさい」

「え~~」

尚もごねようとすると、ルラックの母ちゃんが出てきてルラックの腕をがしっと掴んだ。


「こんにちは、ウィル、あなたもちゃんと家に帰りなさいね」

「はい」

ルラックの母ちゃんは優しく微笑んだ。

右手に項垂れたルラックが引きずられてなければ、その優しい笑顔を信じられたけど・・・大人しく頷いとこう。


「村長、多分、村外れの近くの柵が壊れてると思う。ケガした人、冒険者っぽかったけど、そこから入ってきたと思うんだ」

「なるほどの、それも調査させよう」

「じゃあ、帰るね」

「気を付けてな」

「分かった」


はあ、大人しく帰ろ。

大魔王怖いし。

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