魔力多め。
「ウィル、大丈夫かい?」
心配そうな声とともに肩に手が置かれる。
「うん、カルム叔父さんには見捨てられたけど、生きてるよ」
俺は陰気に恨み言を吐く。
俺は昨日あれからチビを拾ったことを吐かされ、しこたま怒られた。
魔王は火を吹き、大魔王は冷気を放った。
黄金の実の話は、不思議事件(事故)過ぎて言えなかったから、チビは普通に回復していなくなったことにした。
「いや、悪かったよ。だが、敵が強すぎ・・・モゴモゴ・・・皆、君を心配してるんだよ」
「ありがとうございます」
ジト目の俺にカルム叔父さんが苦笑を浮かべる。
「そんな顔してお礼言われてもなー、よし 、ヌワールに乗って気分転換しないかい?」
そう来なくちゃ!!ヌワールに乗れる!!
叔父さんを苛めて八つ当たりしてる場合じゃないよ。
「うん、森に行こうよ!!」
「そうだね、兄さんもどう?」
「俺は用事があるから、二人で行ってきてくれ。ウィル、我が儘言ってカルムを困らせるなよ」
「分かった!!母さん、いってきま〜す」
俺は反対意見が出る前に家を飛び出した。
まあ、早起きしていつも以上に母さんの手伝いしまくったから大丈夫だと思うけど。
「ヌワール、森に行こう!!この間、美味しそうな草が生えてる場所見つけたんだ」
ヒヒン、同意するようにヌワールがいなないた。
「よし、じゃあ、行こうか」
カルム叔父さんが、俺をヌワールの背に引っ張りあげてくれた。
さあ、出発だ!!
村を出て、しばらく進むと森にたどり着いた。
「叔父さん、右に少し行くと三つ葉の草がいっぱい生えた水場があるよ」
「そうか、お昼までには戻らないとね」
「うん、木の実とか薬草採れたらいいんだけど」
「ああ、ウィルはえらいね」
叔父さんが笑顔でほめてくられる。
母さんへのご機嫌取りな部分があるから、ちょっと後ろめたい。
「あ、そうだ。叔父さん、ちょっと聞いていい?」
「なんだい?」
「叔父さん、精霊にあったことある?」
「いや、残念ながらないよ。ウィルはあるのかい?」
「っないよ!!でも、ちょっと興味あってさ」
「そうかい?」
カルム叔父さんは少し訝しそうにしながらも、精霊のことを教えてくれた。
精霊は魂だけで意思を持てる存在のことを言うそうだ。
魔力量が多くないと、体をなくした瞬間にこの世界に存在することができなくなる。
そして、意思を持ち続けるには更に強大な魔力を持っていないと不可能だそうだ。
だから、その強い力を信奉する精霊信仰がある。
ある意味天変地異染みた存在なので、その力を鎮めて守護して貰おうってことらしい。
え〜〜、そんな凄いの精霊って!?
そりゃ、スライムが黄金に輝いて人型になれちゃうはずだよ。
チビ、精霊様に会いに行ったけど大丈夫かな?
「ウィル、どうかしたかい?」
「ん、なんでもないよ。あ、あそこにフレーズの実が生ってるよ!!」
「おお、赤く熟して美味しそうだね」
「うん!!」
フレーズは甘酸っぱくて美味い。
甘いものを食うことなんて殆どないから、たまに甘い果実を見つけるとご褒美を貰った気分になる。
ヤッター
今日はずっといい日な気がする!!




