↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界現実 isekai real  作者: クワエ
第2章:大阪掃討作戦編
33/36

Episode 32 あかり達のスキル

 

「龍夜くん!みんなー!ただいまー!!」


 智咲たちが出発した次の日

 試験を終えた鈴音が本部に帰ってきた


「お、帰ってきたか!

 試験お疲れさん!」


「ありがと!龍夜くんたちはどう」


 言い切る前に雅が鈴音を抱きしめる


「み、雅!?」


「良かった...無事で...」


「無事だよ〜、ちょっと大変だったけど!」


 龍夜たちには見せていなかったが、鈴音を抱きしめる雅を見て余程心配だったのだろうと龍夜は思う


「合格貰えたよ!みんなはどうだった?」


 そう聞く鈴音に全員が暗い顔をする

 龍夜が智咲のことを説明すると、鈴音は悲しそうな表情をする


「そっかぁ、私たちの知らないうちに智咲ちゃんは抱え込んでたんだね...」


「あぁ、気づけなかった俺の責任だ」


 そう言い悔しそうな顔で下を向く龍夜


「でも、ひなちゃんと乗り越えるために街に戻ったんでしょ?

 智咲ちゃんなら、きっともっと強くなって帰ってくるよ!」


 周りの暗い雰囲気を感じ取り、元気よく言う鈴音

 鈴音の明るさのおかげで少しずつみんなも元気を取り戻す


「話してるところすまんけど、ちょっとええか?」


 龍夜たちが話をしている所に、あかりが幹部たちを連れて現れる


「どうした?幹部の人たちも揃って」


 不思議そうに聞く龍夜にあかりが得意げに笑い話し出す


「君らには今日から掃討作戦に向けて修行をしてもらうで!

 修行はここにいる幹部全員が見る!」


 修行と聞き、龍夜たちは目を見開き驚く

 あかりを含め、幹部の者達は龍夜たちを見て微笑んでいる


「試験の次は修行か!?」


「そうや!

 君らは素質はあるが、まだまだ弱い!!

 だから、掃討作戦までの一ヶ月。

 死ぬ気で強くなってもらうで!」


 試験で龍夜たちはほぼ全力で戦っていたが、なにわ連合の幹部達はまだ力の底を見せてはいなかった

 龍夜たちを強くすることで掃討作戦の成功率を上げるというあかりに反対する者はいなかった


「修行と言うことは教えてくれるのかしら?

 あなた達のスキルがどうやってそこまで強くなったのか」


 雅はずっと疑問に思っていたことを聞く

 あかりの《弓神》、大我の《炎魔》などのスキル

 雅と英美里の《剣》や《槍》のようにシンプルな単語ではなく、その言葉の前に神や魔などの他の言葉が付け加えられているということ


 雅の質問にあかりは予想通りという顔をする


「なんや、やっぱり気づいてたんか」


 あかりの言葉に雅と英美里、そして龍夜以外は理解ができていないらしく、頭に?を浮かべている


「雅たんの言う通りや

 私のスキルは元々《弓(アルコ)》やった」


「やっぱりそうなのね。じゃあ、」


「そう、スキルは進化する」


 そう言ったあかりは、なぜスキルが進化するに至ったかを話し始めた




 なにわ連合が出来てすぐ

 避難民がかなりの人数になってきたことから、大きな避難場所を確保するべく、あかり達は今の避難所

 つまり、なにわ連合本部となる場所にいたモンスターを掃討していた


 掃討には三日三晩かかった

 100を軽く超える程のモンスターの討伐で、魔力切れ寸前のあかりの頭の中にスキルを得た時と同じアナウンスが流れる


 《一定数の熟練度が溜まりました

 スキルが進化(エルジオーネ)します》


 この時モンスターと戦っていたあかりは、一時的にスキルが使えなくなるが、五分くらい経つとまた使えるようになった


「なんやったんや?あのアナウンス」


 スキルの《進化》と言われ気になったあかりは、掃討が一段落ついてから自分のステータスを確認した


 ┌─────────────┐

 橘あかり

 Lv 38

 スキル《弓神》

 矢に炎、氷、水、雷、光の5属性を付与することが出来る

 矢の動きをコントロールすることが出来る


 討伐モンスター

 ゴブリン ホブゴブリン ワーウルフ

 デスマウス スライム ナイトビー

 ミミック コボルト ホーンラビット

 トレント スケルトン

 └─────────────┘


 よく見ると《弓》と書かれていたスキルが《弓神》に変化していた

 それに、スキルの能力も変わっていた


「なんや...これ...」


 次の日、再びモンスターと戦ったあかりは、自分のスキルの威力が上がり、表示通り属性を付与できコントロールすることが出来るようになっていることに気づく


「やっぱりスキルが進化しとるのか?」


 あかりは頭の中でアナウンスが言っていた熟練度という言葉が引っかかり、ある仮説を立てた


「あの時の私は魔力が限界ギリギリやった。

 ということは...」


『魔力が限界に達するまでスキルを使い続ける

 それを連日続ける』


 これが、あかりの考えたスキルが進化に至るまでの仮説だった


 本部となる施設の奪還が終わり、大我に協力を頼む

 その日から修行をすると言って毎日魔力が無くなるギリギリまでスキルを使わせる

 すると、始めて一週間辺りで変化が現れ、大我のスキルは《炎》から《炎魔》に進化したのだ


 この実験から、スキルをひたすら使うことで熟練度が上がり、スキルは進化をするということが分かった

 そして他のみんなにもその情報を伝え、今の幹部達はスキルを進化させることが出来たのである




「って感じや」


「なるほどね。

 じゃあ、訓練所にいた人たちは、」


「そう、スキルを進化させるために訓練してたってことや」


 納得のいく説明だったが、まだ疑問が残る龍夜はあかりに質問をする


「でも、俺達もここに来るまで結構スキルを使ってきたぞ?

 それでも誰一人進化することは無かったが...」


「それは使い方が関係してると思うわ

 私たちは魔力欠乏症になるギリギリまで魔力を使って、回復したら再び魔力を使うってことを繰り返して進化に至ったんや

 でも、私達も進化の方法をちゃんと理解してるわけやない

 進化は人それぞれで違うかもしれないし、他に効率のいい方法があるのかもしれん。

 この方法は、私と大我が実験で偶然見つけただけの副産物や」


 本当に進化できるかは分からないというあかり


「それでもやってみる価値はあるんじゃない?」


 雅がそう言うと、他のみんなも賛成している

 進化する保証は無いが、この修行で成長することは間違いない


「修行...頼むよ!

 俺たちはもっと強くならなければならない。」


 龍夜はあかりを一点に見つめ言う

 他のみんなも龍夜と同じ意見だとあかりの方を見る

 それに対しあかりは笑顔で答えた


「龍夜たちならそう言うと思ったで!!

 じゃあ、今から修行のペアを発表するわ!」


 あかりはそう言い、すぐにペアの名前を呼び出した

 修行のペアはこのようになった


 加藤龍夜と竜胆渚

 伊集院雅と天谷美湖

 水原英美里と大皇寺大我

 佐渡鈴音と叶澪

 残った非戦闘員の水原広樹、蓮見圭吾、鈴音両親は木吉和樹、馬道百合の二人が見ることになった


 そして、橘あかりはみんなの修行の総括をするとの事だった

 この組み合わせは、あかりが全員のスキルを見て相性が良いと判断しての事だった

 智咲たちの所へも渡辺冬弥と松原楓子の二人に行ってもらっていると説明があった


「以上や!龍夜たちは訓練所を思いっきり使ってくれ!

 幹部たちは自分たちも修行だと思ってサボることがないように!」


 そう言ってみんなに喝を入れるあかり

 しかし、幹部の中から手を挙げた人物がいた


「あの〜」


「ん?どうしたんや?澪」


 手を挙げたのは叶澪だった

 気まずそうに苦笑いをしながら手を挙げている


「私と鈴音ちゃんは今帰ってきたんですよ

 さすがに今日くらい休ませてください」


 そう言われたあかりはぽかんとしていた

 それもそうだ、デスマウスとの死闘で疲労して帰ってきたばかりなのに、今から修行と言われても体が持たないだろう


「そういえばそうやな...じゃ、じゃあ、修行は明日からってことで!!!」


 先程までの間抜けな顔からすぐ切り替えて凛々しい顔になりそう言うあかり

 今度はみんながぽかんとしている


「おいおい、そんなんでいいのか?」


 すかさず龍夜がつっこむが、あかりは「ええんやええんや」と流す


「各自今日まで休んで明日から本格的に修行を始めるで!

 忙しくなるやろうから今日のうちにやらないといけない事片付けときや!」


 みんなが意気込む中、あかりの言った「やらないといけない事」に少し反応する雅


「(鈴音が帰ってきたんだし、ちゃんと話をしなきゃ)」


 そう考えながら静かに鈴音を見る雅

 雅の視線に気づいた鈴音は雅に笑顔を返す


「じゃあ、解散!!!」


 あかりの言葉でみんなは解散する

 宿泊所へ戻る者、修行についてペアと話す者、みんなそれぞれの行動をしていた


「鈴音、ちょっといいかしら」


「ん?どーしたの雅?」


 深呼吸をし雅が言う


「今日、話があるわ。

 夜に鈴音の部屋に行ってもいいかしら」


 真剣な顔付きで言う雅

 鈴音は即答で答えた


「わかった!

 じゃあ、夜は部屋で待ってるね!」


 そう笑顔で言う鈴音に雅は息が詰まりそうになる


「(ごめんね鈴音。

 でも、あなたにはちゃんと言わないといけないの。)」


 顔を赤らめながら龍夜をお昼に誘う鈴音

 その背中を見ながら雅は自分の胸に手を当てた




 NEXT

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。