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第79話|戻ってくる画面

朝、彼は端末を開いた。


一覧は昨日と変わらない。

更新時刻は整い、

異常欄も存在しない。


彼は最初の案件を開く。


読み終える前に、

別の通知が届いた。


以前なら、

すぐに画面を切り替えていた。


今日は、そのまま席を立つ。


給湯室で湯を注ぎ、

湯気が静かに立ち上るのを眺める。


誰も急いでいない。


机へ戻ると、

画面は開かれたままだった。


通知も増えていない。

警告も表示されていない。


ただ、

さっきまで読んでいた続きを、

そのまま読める状態で待っていた。


午前中の処理は予定どおり終わる。


昼前、新しい担当者が言った。


「戻ってきても、まだそこにありますね」


彼は画面を見ながら頷いた。


「なくならないみたいだ」


午後、ログを確認する。


開始時刻も、完了時刻も並んでいる。


だが、

途中で席を離れていた時間は記録されていない。


夕方、彼は一覧へ戻る。


何もない余白は、

昨日と同じ場所にある。


今日はその余白が、

急がなくても戻ってこられる場所のように見えた。


定時、端末を閉じる。


今日も運用は正常だった。

異常も遅延も表示されていない。


ただ、

戻ってきても待っていてくれる画面だけが、

誰にも説明されないまま残っていた。

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